ミュージカル『王家の紋章』で宮澤佐江が卒業後初舞台

山口祐一郎、平方元基、新妻聖子、浦井健治、宮澤佐江、宮野真守、濱田めぐみ、伊礼彼方(左から)

 秋田書店の月刊プリンセスで1976年から現在にわたり連載中の『王家の紋章』がこの夏、初めてミュージカル化される。
 同作は現在まで単行本が60巻を数え、累計発行部数が4000万部を記録する、日本の漫画界でも指折りの超大作。

 16日、主役のメンフィス役を演じる浦井健治、ヒロイン・キャロル役をWキャストで演じる宮澤佐江と新妻聖子ら出演者と演出の荻田浩一氏、そして原作者の細川智栄子さんと芙~みんさんが登壇し、制作発表会見が行われた。

 この日はプリンセスなどで募集された230人のファンも参加。冒頭、浦井ら出演者によって劇中で歌われる『Where I Belong』、『Unrequited Love』の2曲が披露された。

 会見では原作者の細川さんが「昔テレビドラマのお話をいただいた時、ドラマと漫画の描くスピードが違い、すごく苦労した。それから妹と相談して、お話があっても一切お断りしましょうと決めた」とこれまで同作が実写化されなかった理由を語った。そして今回は「(舞台化が)4巻まででどうかというお話だった。それだったら…」と舞台化実現した経緯を語った。

 本作が初の単独主演となる浦井は「とてもうれしいが、ド緊張もしている。このメンバーだからこそできるミュージカルになるのではないかと思うようなメンバーが集結している。ストーリー的にも人物造形的にも素敵な作品でそのすべてが魅力的」と語った。

 今年3月にAKBグループから卒業し、本作が卒業後、初の舞台となる宮澤は「素晴らしい作品のヒロインに選んでいただいて、光栄に思っています。それと同時にとても緊張しています。頑張ることは当たり前。私はキャストのみなさんの中でも一番頑張らなければいけないと強く思っています」とし、初出演となる帝国劇場については「夢にも思えなかったくらい素晴らしい場所に立てることに感謝して、キャロルという可愛らしい女の子をしっかり、私らしく演じたい」と語った。

身振りを交えて作品の魅力を語る新妻聖子(左)を見守る浦井健治(中)と宮澤佐江

 原作の大ファンである新妻はまずは「幼いころから『王家の紋章』が大好きで、細川先生の生声が聞けただけで武者震いがしている。この作品の初の舞台化に出演できるのは私にとっては奇跡。作品に、お客さんに失礼のないよう、全身全霊でキャロルに向き合って王家の紋章に命を捧げたい」と挨拶。そして「王家の紋章を語りだすと止まらない(笑)。女子目線でいうと…。メンフィスとかイズミルは世界イケメン大会のエジプト・トルコ代表みたいな人で、メンフィスというのは少女漫画の歴史における“元祖俺様男子”なんです。女性は強引で、でもちょっと優しくて、そして権力がある美しい男性というのが理想。メンフィスには女性の理想が詰まっている。昨今、壁ドンとか顎クイとかありますが、メンフィスは腕を折っちゃいますから。腕ポキですから、凄いんですよ。とにかくですね、魅力という質問でしたか? 好きすぎて…、今度まとめてきます(笑)」といつにないハイテンションで作品の魅力を語った。
 同作は8月5~27日まで東京・有楽町の帝国劇場で上演。8月3~4日にプレビュー公演が行われる。一般前売りは5月28日から。公演の詳細は公式サイト(http://www.tohostage.com/ouke/)で。