何百年経っても色あせない作品たち『あわれ彼女は娼婦』

(撮影:安藤毅)

 イギリスの劇作家ジョン・フォードの代表作。日本でも過去に名だたる演出家のもと、日本を代表する俳優を起用し、何度も舞台化されてきた作品。

 今回も栗山民也演出、浦井健治、蒼井優主演という豪華な座組での上演となる。

 物語の舞台は中世イタリアのパルマ。勉学に優れ、人格的にも非の打ち所がないと将来を嘱望されるジョヴァンニは、尊敬する老修道士に、類まれな美貌の妹アナベラを女性として愛していると告白。修道士は叱責するが、ジョヴァンニはアナベラに気持ちを伝えてしまう。アナベラもまた兄を男性として愛していたことを告白。2人は道ならぬ恋に身を委ねてしまうのだった。

 戯曲が書かれたのは1620年ごろ。近親相姦は重罪で処刑されていたような時代。

 そこから約400年の時が経っても、作品の中で描かれる人間の愛、欲望、嫉妬といった感情は色あせない。しかし受け取る側の感覚は!? 『あわれ彼女は娼婦』という意味深く残酷なタイトルを持ったこの作品が現在の日本ではどのように受け取れられるのかも気になる、そんな作品。

『あわれ彼女は娼婦』
【日時】6月8日(水)〜26日(日)(開演は13時。※8・9・17・24日18時30分。16・18・25日13時/18時30分。13・20日休演。19日貸切。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】新国立劇場中劇場(初台)
【料金】全席指定 S席8640円、A席5400円、B席3240円、Z席1620円 ※Z席は公演当日朝10時より、ボックスオフィスのみにて販売。1人1枚、電話予約不可
【問い合わせ】新国立劇場(TEL:03-5352-9999=10〜18時 [HP] http://www.nntt.jac.go.jp/
【作】ジョン・フォード
【演出】栗山民也
【出演】浦井健治、蒼井優、伊礼彼方、大鷹明良、春海四方、佐藤誓、西尾まり、浅野雅博、横田栄司、宮菜穂子、前田一世、野坂弘、デシルバ安奈、川口高志、頼田昂治、寺内淳志、峰﨑亮介、坂川慶成、鈴木崇乃、斉藤綾香、髙田実那、大胡愛恵、石田圭祐、中嶋しゅう