複雑な聞こえの環境でもラクに聞き取れる補聴器

 110余年の歴史を持つ補聴器メーカー、オーティコン補聴器は、騒がしい環境下でも周囲360度の音の情景を自然に届ける補聴器「オーティコン オープン」を全国のオーティコン補聴器取り扱い専門店、眼鏡店、百貨店で新発売した。

 難聴者にとり、最も聞き取りが難しい状況のひとつが、騒がしい場所での言葉の理解。従来の補聴器は、そのような環境での聞き取りを、主に正面の音にフォーカスする「指向性」機能により解決を試みてきた。しかし、その場の主となる会話のみを捉え、側面や背後の音声が抑制されるという技術の限界に直面。オーティコン オープンは、聞き取りが難しい環境での「指向性」の概念から脱却し、周囲360度の音の情景を自然に耳に届ける事で、聞きやすさを実現。音声処理能力を50倍に高めた新チップ「ベロックス」搭載により、周囲の音の情景を瞬時に分析し、会話などの音声はそのままに、複数の音源のバランスをはかりつつ、不快な音は抑制しながら周囲全ての音を耳に届け続けるという。これにより複数の会話が飛び交い、話し手が次から次へと変わる場面でもユーザーは会話を選んでついていくことが可能となった。

 音は耳で聞くものだと考えられがちだが、実際は聞こえは認知の働きであり、音の持つ情報を理解するのは脳。脳は音の意味を捉えるために、絶えず機能しており、聴力の低下により耳から届く音の詳細な情報が欠けると、脳は欠けた情報を補い意味を理解しようと更に負荷をかけて働くことになる。オーティコン オープンは脳から聞こえを考えるブレインヒアリング技術を搭載、脳にやさしいことが証明された初めての補聴器だ。それにより、ユーザーはより少ない労力で会話を理解し、会話に必要な記憶をより多く脳にとどめることが可能に。超高速音声処理チップを搭載した同製品は周囲の音声や騒音を瞬時に、そして精緻に処理し、脳の聞く働きを支える。レストランやパーティなど、複雑な聞こえの環境でも、ユーザーは周囲の会話に自在に耳を傾け、より興味深い会話があれば、すぐに聞き取りの焦点を変えることができるようになるという。これらの技術により、聞くことから生ずる疲れやすさが20%軽減、会話の内容を覚える力が20%向上、さらに会話の理解を30%高めることが明らかになった。