格闘家イケメンファイル Vol.52 ヘラクレス 宮田和幸(みやた・かずゆき)
総合格闘技の選手として活躍中の宮田和幸は、BRAVE GYMを主宰しているほか、CARPE DIEM(カルペディエム)広尾などでパーソナルトレーナーとしても活動中。
「自分の練習はもちろんですが、夜は自分のジムに行って選手の指導をして、昼間はパーソナルトレーナーとして指導していることが多いですね。マンツーマンのプライベートレッスンは、以前は筋トレをしてマッチョになりたい男性が主流でしたが、今は、女性でも鍛えたいという方が増えてます。僕のレッスンは基本的に、ジムでの運動のほか、食事指導などで、ダイエットをしたいとか、筋肉を付けたいなどの希望に応えています。最近では、キックボクシングなどの格闘技を見るのではなく、やる人が多くなっているような気がします。ここカルペディエム広尾は、柔術だけのジムなんですけど、最近ものすごく柔術が流行っていて、生徒さんが増え続けている。実際、ロスや西海岸でも柔術の人気はすごくて、セレブのたしなみのような感じになっているんです。人気の秘密は、ハマる人が多いことでしょうか。とにかく、一度入会したら、辞める人はほとんどいないですね。自分も寝技にハマったほうだから、その気持ちはなんとなく分かる。また、基本的に格闘技は、一通り丁寧に教えますから、逆に運動になれていない人はウエイトトレーニングのジムより格闘技ジムのほうがコスパはいいかも知れません」
ヘラクレスと呼ばれる美しい肉体、そしてレスリングでオリンピック出場という輝かしい経歴を持つ宮田だが、総合格闘技の世界に入ったばかりの頃は苦労の連続だったとか。
「シドニーオリンピックに出場後、アテネオリンピックを目指していましたが出場できず、その頃流行っていたK-1に転向しました。オリンピックに出ていて、知名度があったため、総合格闘技は初心者なのに、デビュー戦はホイラー・グレイシーという強豪と対戦することに。もちろん負けました(笑)。その後も強い人たちとばかり当てられ、負ける事のほうが多かった。マネジャーもおらず、自分1人だったので、言われるがままに対戦していましたし。今は、ジムのマネジメントを僕がやっているので、(主催者に)面倒くさいと思われている。弟子の対戦相手とかに関しても、自分の経験から、ちゃんと段階を踏ませてあげたいと思っているので結構うるさい(笑)」
弟子への思いは現役後についても及ぶ
「強い選手を育てたいという思いもありますが、その育てた選手のセカンドキャリアの事も考えてあげたいなと思っています。せっかく格闘技をやったんだから、格闘技に携わる仕事ができるようにしてあげたい。またサラリーマンになりたければ、ジムのスポンサーさんの企業を紹介してあげるとか。格闘技に関する仕事ではプライベートレッスンのお客さんをバトンタッチするとか、ジムの経営や管理を任せるとか、自分が次に進んだ時に、何か残せるもの、バトンを渡せるものの道筋をつけておく。現役の選手は今は修行の時期なので、基本はファイトマネーだけで食えるようにするのが目標ですが、その後の人生もちゃんと食えるようにしてあげたいとは思っています」
選手としても実業家としての毎日も送る宮田だが、8月にはZSTの試合で、グラップリングタッグマッチに出場する。
「8月7日に、新宿FACEで行われるZST.52に出場します。試合に向けては特にまだ何もしていません。というか、昔から根を積めて合宿をはるとかはしていませんし。ライフワークとして、練習は毎日やっていますので、コンディションは良くも悪くもなく変わらない。対戦相手の宇野さんとは同い年なので、まだまだできるというのを若い人に示せれば。引退してもいいんですけど、なんでまだやめないかと言われたら、若い選手と比べても僕のほうが強いから。変な自信とかではなく、練習をしていてもまだまだやれるなと。ですから、今度の試合は、いつもやっている事の発表会のつもりでやりたい。全然まだまだやれるというところをお見せできると思います」