7・17修斗 飛鳥拳が世界フライ級新王者に! 女子の浅倉カンナが一本勝ちで修斗デビュー

【写真上】新王者となった飛鳥 【写真下】内藤(右)が飛鳥を祝福(撮影・蔦野裕)

 プロフェッショナル修斗公式戦(17日、東京・後楽園ホール)で、内藤のび太の返上に伴う、修斗世界フライ級チャンピオン決定戦が行われ、飛鳥拳が澤田龍人を2R4分41秒、KOで破り、第6代王者に就いた。

 この2人は2014年に行われた同級インフィニティリーグで対戦。飛鳥が判定勝ちし、同リーグを優勝。優勝者にはタイトル挑戦の権利が与えられていたのだが、当時の王者・内藤と同門の飛鳥は挑戦を見送り、澤田が先にタイトル挑戦。そんな経緯もあったことから飛鳥にとっては満を持しての試合となった。

 1Rから澤田がタックルで主導権を握る。飛鳥はテイクダウンは許してもケージを巧みに使いすぐに立つのだが、澤田は内藤ばりの執拗なタックルからバックを奪い、チョークスリーパーを仕掛け、あわやの場面を作るなど、飛鳥の劣勢は否めない。
 しかし2Rに入ると飛鳥もタックルに徐々に対応。離れ際に放った右ハイキックから左インロー、右フックと畳み掛けると澤田の動きが止まる。澤田が苦し紛れにきたタックルを切るとヒザをついた澤田の顔面にパンチを連打。なおも右足にしがみつく澤田のバックを制すると強烈なパウンドを連打。動けなくなった澤田を見て、レフェリーが試合を止めた。

 飛鳥は「最初、凄い劣勢で、心が折れそうだったんですけど、応援してくれるみなさんのことを考えたら、やめるわけにはいかないと思って、必死で勝利をもぎ取りました。ジムの鶴谷(浩)さんはじめ先輩方のいるパラエストラ松戸でなければここまで来れませんでした。ありがとうございます」」と挨拶。
 試合後には前王者の内藤がケージに入り、飛鳥を称えた。

 フライ級ではこの日、猿田洋祐が初の国際戦でルイス・ゴンザレスを打撃、グラウンドの両面で圧倒。30-27、30-25、30-25という3-0の判定で勝利を収め、次期挑戦者に名乗りを挙げた。

石橋(左)がスリーパーで安藤を破る(撮影・蔦野裕)

 セミではフェザー級の注目の一戦、石橋佳大vs安藤達也が行われ、石橋が2R2分4秒、スリーパーホールドで一本勝ちした。

 石橋は約1年5カ月ぶりの復帰戦。かつては根津優太の環太平洋王座に挑戦。あと一歩まで追い込むなど、その実力は折り紙つきなのだが、この休養の間にフェザー級は他団体からの実力者の参戦や安藤のようなニューフェイスの登場でやや影が薄くなっていたのも事実。石橋にとってはいきなり生き残りをかけたシビアない試合となった。1Rから安藤が打撃とタックルで攻め込むと、石橋も組み止めてはグラウンドに引きずり込む。めまぐるしく攻守が入れ替わる展開のなか、石橋は下からの腕十字で安藤をヒヤリとさせる。2Rに入ると打撃でも石橋が優勢に。最後はタックルからテイクダウンに成功。バックをキープするとチョークスリーパーをがっちりと決め、一本勝ちを収めた。
 この日はHEATなどで活躍していた祖根寿麻が修斗初参戦で元ライト級環太平洋王者の土屋大喜を判定で破り、気勢を上げた。フェザー級戦線も役者が揃って、目が離せない展開となりそうだ。

浅倉(上)はこの後、鮮やかにスリーパーを極める(撮影・蔦野裕)

 今大会から修斗は後楽園ホールの公式戦で初めてケージを導入。そしてラウンドガールの採用と新しい時代に一歩踏み出した。そんななか久しぶりに女子の公式戦「浅倉カンナvs檜山美樹子」がマッチメークされた。

 浅倉は昨年9月にVTJに参戦。今年4月にはパンクラスで朱里に判定負けしたものの、今後の活躍が期待される18歳。

 1R開始早々に組みついて首投げでグラウンドに持ち込むとがっちりとポジションをキープ。パウンド、鉄ついで檜山を追い込むと最後はバックマウントからチョークスリーパーを極め、1R3分43秒で一本勝ちを収めた。

【写真左】祖根(左)が土屋を破る 【写真中】猿田(左)が全局面でゴンザレスを圧倒 【写真右】メーンは飛鳥(左)がパウンドでフィニッシュ(撮影・蔦野裕)