7・18『Krush.67』ピケオーとKANAが初防衛に成功

ピケオー(右)は危なげない戦いっぷりで初防衛(撮影・上岸卓史)

 立ち技格闘技の『Krush.67』(7月18日、東京・後楽園ホール)のダブルメーンで2つのタイトル戦が行われた。

 Krush-70kgタイトルマッチでは王者・ジョーダン・ピケオーが山崎陽一を2R2分42秒、KOで下し、初防衛に成功した。
 ピケオーは1Rからプレッシャーをかけ前へ。山崎のガードのすき間からパンチを上下に打ち分け主導権を握る。2R開始早々にピケオーは出会い頭の左ジャブで最初のダウンを奪う。ノーダメージと思われたが、その後のピケオーの一気のラッシュに山崎は防戦一方。最後はロープに詰めたピケオーが左フックから返しの右フックを放つと、山崎はロープの反動でマットに前のめりにたたきつけられるようにダウン。レフェリーが即座に試合を止めた。

 試合後のリング上でピケオーは「今後はK-1のチャンピオンベルトを獲りたい」とアピール。そして会見では「自分にとってこのベルトを引退するまで守り続けることが仕事」と話す。実際、ここまでK-1とKrushで渡部太基、サニー・ダルベック、中島弘貴、この日の山崎と並み居る強豪を退けており、その言葉も現実味がありそうだ。

KANA(左)の強烈な右ストレートが炸裂(撮影・上岸卓史)

 Krush女子タイトルマッチは王者KANAがグレイシャア亜紀を3R3-0の判定で破り、初防衛に成功した。

 KANAは昨年秋のプロデビュー以来、4戦無敗で王座に駆け上がった23歳。一方、37歳の亜紀は2002年にデビューして以降、3本のベルトを巻くなど長く女子キック界を引っ張ってきた実力者。
 亜紀は今年での引退を口にするなど、ある意味では背水の陣を敷いての、またある意味では女子キック界の未来を託す戦いでもあった。

 試合は1RからKANAがアグレッシブに仕掛けるが、10倍の試合キャリアを誇る亜紀は冷静にさばくと反撃開始。2R以降はKANAの力強い連打に、亜紀が巧みなコンビネーションで対抗。互角に打ち合い、会場を沸かせた。
 判定は30-28、29-28で2人がKANAを、1人が29-28で亜紀を支持と紙一重の結末。

 KANAは試合後「KOできず、つまらない試合をしてすいません。自分の実力はまだまだですが、これまで盛り上がらなかった女子格闘技を自分がもっともっと強くなって盛り上げていきます」と語った。

山際(左)は得意の右ミドルで牧平を攻略(撮影・上岸卓史)

 この日は前Krush-67kg王者の牧平圭太が約3年ぶりのKrush参戦となる山際和希と対戦。1月に渡部太基に敗れ王座を失って以来の復帰戦となったが、延長の末、1-2の判定で敗れた。

 試合はともに得意とする、山際の右の蹴りと牧平の左の蹴りが交錯する激戦が展開されたが、山際の右ミドルが確実性で上回った。

 山際はKrushを離れた間にBigbangでウェルター級王座を獲得。今回、前王者を破ったことから2冠王も視野に入ってきた。