【NO LIMITS】リオで頂点を目指せ! 日の丸パラリンピアンの熱き思い

藤本聰(ふじもと さとし) 【クラス】体重別66kg級【障がい】視覚障がい 【成績】1996年 アトランタ・パラリンピック 金メダル、2000年 シドニー・パラリンピック 金メダル、2004年 アテネ・パラリンピック 金メダル 、2008年 北京・パラリンピック 銀メダル、2015年 IBSA柔道ワールドカップ 銀メダル

三連覇の王者復活。再び頂点へ。藤本聰選手

【STORY「今しかできない」と思い続けて歩んだ、35年の柔道人生。】
 先天性の視神経異常で左目は見えず、右目は弱視。そのハンデを感じさせない技の数々は、「継続は信なり」という彼のモットーから生まれた。時には深夜まで及ぶ激しい練習と苦しい減量。「何をやってるんだろう」と思う時もあるが、それでも「あの時続けていたらと後悔するのが怖い」と、ひたむきに努力を続けた。その結果、視覚以外の感覚を極限まで研ぎ澄ませ、組手の感触で相手の動きを察知する「第六感」を身につけ、パラリンピック3連覇という偉業を成し遂げた。「自分が納得するまでやり続ける。そうすれば自信はいつか確信にかわる」と語る藤本選手。どんな困難にも屈しない、継続する信念で世界の頂点を再び狙いにいく。

【RULE】柔道 激しい技の掛け合いに、一瞬たりとも目が離せない。

 パラリンピックでは視覚障がい者が対象となり、一般の柔道と同じく男女別体重別で競技を行うので、全盲と弱視など見え方の異なる相手との対戦もある。競技ルールも一般とほぼ同じだが、大きく違うのは両選手が互いに組んだ状態から試合が開始される点。途中で両者が離れると「まて」がかかり、道場中央に戻って組み直してから試合再開となる。組み手争いがなく、常に組んだ状態で技の掛け合いになり、「まて」の間は試合時間も止まる。そのため試合時間が長くなることが多く、選手はスピードだけでなく持久力も必要とされる。

上地結衣(かみじ ゆい) 【クラス】女子シングルス、女子ダブルス【障がい】両下肢麻痺(二分脊椎) 【成績】2012ロンドンパラリンピック シングルス、ダブルスともに8位入賞、2014年日本人女子初のダブルス年間グランドスラム達成

日本が世界に誇る、若き女王。上地結衣選手

【STORY 世界を制した負けん気で、リオの舞台に挑む。】
 生まれつき脊椎に障がいを抱える上地選手。小学4年の頃から、自力で歩くことが困難になっていく。落胆する様子を見て親が勧めたのが車椅子バスケットボール。しかし、大人と一緒にプレーをする中で「リングに当たれば入ったことにしてあげる」と、特別扱いされることが嫌になった。「もともと負けず嫌いな性格。日常生活でも、障がいがあるからできないよねと言われるたびに悔しかった」という彼女が次に選んだのが、車いすテニス。「個人競技は、良くも悪くも自分がすべて。年齢や体格に関係なく対等に戦っていけるのが魅力だった」という。2014年、若干20歳で世界4大ツアーを制覇し、ダブルスのグランドスラムを達成。世界の頂点に立った彼女だが、ロンドンパラリンピックではベスト8に終わっている。敗北から4年。その負けん気でさらなる進化を遂げた女王が、リオでふたたび頂点を狙う。

【RULE】車いすテニス 華麗なチェアワークが繰り出す正確なショットと、迫力のラリー。

 コートの大きさやネットの高さ、ボールなどを含め、一般のテニスとほぼ同じルールで行われるが、大きな違いは2バウンドまでの返球が認められていること。2バウンド目はコートの外でもよい。パラリンピックでは男子、女子に加え、障がいの程度の重い男女混在のクァードの3クラスに分かれ、シングルスとダブルスが実施される。クァードクラスでは握力が弱いためテープでラケットを固定したり、電動車いすの使用なども認められている。試合は3セット制で2セット先取した選手の勝ちとなる。

山本篤(やまもと あつし) 【クラス】T42【障がい】左大腿切断 【成績】2008年北京パラリンピック 100m 5位、走幅跳 銀メダル、2012年ロンドンパラリンピック 100m 6位、200m 8位、走幅跳び 5位、2013年世界選手権(フランス)走幅跳 優勝、2015年世界選手権(カタール)走幅跳 優勝

パラ陸上の先駆者、悲願の金メダルへ。山本篤選手

【STORY 挫折からのスタートだった陸上人生。】

 子どもの頃からスポーツ万能で、誰よりも上達が速かった山本選手。そんな彼が、初めて挫折を味わったのが陸上競技だった。高校2年生の時、バイク事故で左足の大腿部を切断。義足生活の中で出会ったのがパラ陸上。それから2年後のアテネ・パラリンピック選考会で、100メートルの日本記録を持ちながらも標準記録に届かず、他の義足選手たちが代表に選ばれる中、自分は落選。しかし、この挫折が彼を本当のアスリートに変えた。4年後の北京大会では、走り幅跳びで銀メダルを獲得。それはパラリンピックの陸上競技において、義足選手では日本史上初のメダルという快挙だった。リオパラリンピックでは、悲願の金メダルを狙う。

【RULE】陸上
1/100秒、1cmを競う陸上競技。選手はそれぞれの障がいに応じて工夫した用具や支援者とともに肉体の限界に挑戦する。

 対象となる障がいは、視覚障がい、知的障がい、脳性まひ、切断・機能障がい、頸髄・脊髄損傷など幅広いため、その種類や程度などによって細かくクラス分けし、公平に競技できるようにしている。クラスはT(競争・跳躍種目)かF(投てき種目)と数字の組み合わせで表され、数字は小さいほど障がいが重い。ルールは一般の陸上競技とほぼ同じだが、各障がいの特性を考慮し一部ルールが変更されている。例えば、義手・義足や競技用車いす「レーサー」の使用が認められ、視覚障がい選手は「目」の代わりとなるガイドやコーラーと競技をする。

『TOKYO HEADLINE NO LIMIT SPECIAL』

 8月25(木)より都営大江戸線で配布開始。
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