ZSTフライ級王者・伊藤が年末のRIZIN出場目指し11月に2連戦

ZST旗揚げ14周年記念大会で対戦する伊藤(左)と上田

 総合格闘技のZSTが27日会見を開き、旗揚げ14周年記念大会「ZST.54」(11月27日、東京・ディファ有明)の一部対戦カードを発表した。
 フライ級王者の伊藤盛一郎がGT(グラップリング)ルール、バンタム級(61.2kg契約)で上田貴央と対戦する。

 2人は2012年にZSTの若い選手を中心とした大会である「SWAT!」のトーナメントでZSTルールで対戦し、伊藤が判定勝ちを収めている。その後、階級が分かれたため対戦の機会はなかったが、上田がフライ級に階級を変更したこともあり、今回の対戦が実現した。

 上田は「チャンピオンと対戦できるのは光栄。前回の試合では公式の発表はなかったが関係者から2-1のスプリット判定でどっちが勝ってもおかしくなかったと聞きました。僕の中でも、僕の勝ちでも良かったのではないかという試合だったので、今度はGTルールで進化した2人の試合ができればいい。大会の中では打撃はないがこの試合が一番面白い試合になると思うので期待してほしい。伊藤選手は実力もファイトスタイルもZSTの中心。今は階級も同じになったので一番の対抗馬として、ライバルといわれるように頑張っていかなければいけない」
 伊藤は「去年の13周年記念大会はケガで出られなかったので、今年は出られてうれしい。上田選手との前回の試合ではしっかり一本決められなかったので、今回はきっちり一本勝ちして、グラップリングルールでも面白い試合を見せたい。これまでは階級が違っていたので敵として意識はしていなかった。階級を落としてきたので、いつかはやる時があるのかなとは思っていたが、まさかのグラップリングの試合。上田選手はここ2試合、KO負けですごい崩れ方をしていたのでダメージが心配。やさしく決めたいと思います」
 とそれぞれ話した。

 バンタム級でグラップリングルールの試合ということについて、上田が「グラップリングはもちろん僕のほうが上。しかも以前僕がやっていた61.2kgでやるので体格的にも相性的にも僕が有利」といえば伊藤は「バンタムだとほとんど減量がないんですが、スピードも力も僕のほうが上だと思う。体格は関係ない」と返した。

師匠の勝村(左)と伊藤

 またこの日は「GRANDSLAM 5-WAY OF THE CAGE-」(11月3日、東京・ディファ有明)の会見も行われ、伊藤盛一郎が修斗世界バンタム級3位の内藤頌貴とフライ級5分3Rでメーンで対戦することが発表された。

 GRANDSLAMは伊藤の師匠である勝村周一朗が主催するイベント。
 伊藤は11月に2連戦となるが、会見に登壇した勝村は「盛一郎が去年の年末から“RIZINに出たい”という希望を持っていた。どうにかRIZINに出したいという思いがあって、今回連戦をさせて出場へのアピールになれば。ZSTのチャンピオンなので14周年記念大会でMMAの試合を、と思っていたが、RIZINは出場も目標だがきっちり勝つことを最大の目標にしているので、11月27日にMMAの試合をさせるのはダメージや練習を考えた時に厳しいと考えた。なので3日にMMAの試合をしっかりやって27日はグラップリングで弾みをつけてRIZINに出られれば、と思いました」と経緯を説明した。

 対戦相手の内藤は前修斗世界フライ級王者で、現ONEストロー級世界王者の内藤のび太の実弟。現在1分けを挟み3連勝中とめきめき頭角を現している。
 伊藤は「相手は修斗の世界3位で強い選手だと思いますが、自分はZSTのチャンピオン。チャンピオンは誰とやっても負けちゃダメなので、きっちりレベルの差を見せつけて勝ちたいと思います。(内藤については)特に怖いところはない。これといってずば抜けているところはないので、特に怖いところはない」と話した。

 対戦相手が内藤となったことについて勝村は「組める中で現状強い、しんどいであろう相手を用意した。もちろん勝ってアピールしてほしいという思いもありますが、そうやすやすと勝てる相手に勝っても意味がない。ここで負けるようでは、結局そこまでの実力なんだという試練の意味も含めて厳しい相手を用意しました。ZSTと修斗の対抗戦とまではいいませんが、周りからはそういうふうにみられると思う。そういう意味でも厳しい相手だと思います」と語った。

 試練の連戦となるが伊藤は「自信はある。ここで頑張らないと一生後悔する。死ぬ気で練習を頑張る。リングがケージになってヒジがありになるが問題ない。いつもどおりの動きをすれば勝てる」と意欲的。
 RIZIN出場へのアピールとして勝村は「こいつは普通にやっても派手な試合になっちゃうので、いつも通りにやってくれればいい。(27日のZSTの)上田とはグラップリングでも見ていてビックリするような試合ができると思う。MMAの試合の中でのグラップリングとなりますが、一番インパクトを残せる試合をしてくれればなと思います。(3日のGRANDSLAMは)金網に入るのは久しぶりですけど、そこも問題ない。RIZINもルールが違うので、そういうところにも適応できるところを見せてほしい」と話した。