小池都知事「希望の塾」に高校生、サラリーマン、主婦、僧侶も入塾

撮影・蔦野裕

 東京都の小池百合子知事が立ち上げた政治塾「希望の塾」の開塾式が10月30日、都内で開かれ、2902人が参加した。会場ホールの収容人数を上回り、式は4回に分けて開催された。

 この塾は、この夏の東京都知事選をきっかけに政治に関心を持ち始めた人々が、主義主張や党派を超えて幅広く集い、互いに学び合うことを目的に設立されたもの。北海道から沖縄まで、全国から4827人の応募があったという。

 会場にはサラリーマン風の男性からOL風の女性、託児所も設置されたこともあり、子連れの親や女性、高校生、僧侶とさまざまな参加者の姿が見られた。

 最初に挨拶に立った小池氏は「今日は4回転。私も4回、同じことをしゃべらないといけない」と笑いを誘った後、東京オリンピック・パラリンピックなど都政の課題にも言及。「いくつもある課題を何十年かけて答えを出すのでは間に合わない。やるべきことを実行しよう」と訴え、受講生たちに「皆さんが批評家ではなく、実際にプレーヤーとなって参加するような方向を目指していきたい」と話した。

 続いて行われた講演では、過去に新党発足に携わったことなどを説明。環境相時代にクールビズを定着させたことに触れ、人々の共感を得ながら政策を実行していく重要性を強調し、「東京大改革も同じだ」と訴えたという。

 その後は小池氏を応援した高野之夫豊島区長が地方自治などについて講演した。

 今後は来年3月まで月1回のペースで講義や意見交換を実施。都政改革のテーマを取り上げ、専門家から地方自治や待機児童問題などを学ぶ。

 参加した塾生の中には政治家志望の人もおり、また来年夏の都議選を見据えた新党設立への布石とみる向きもあるが、小池氏は新党については言及していない。

豊洲「盛り土」問題 再調査で責任者8人を公表

 築地市場の移転先となる豊洲市場の主要施設下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題で、小池百合子都知事は11月1日、再調査結果をまとめた新たな検証報告書を公表した。

 報告書では平成23年8月の部課長会で盛り土をしない方針を決め、その後、24年5月までに詳細な実施設計の発注や調整をしたと結論付けた。

 そして担当部局の中央卸売市場の元市場長で、現副知事の中西充氏ら現役幹部4人、OB4人の計8人を「実務上の決定者」と結論付け、「知りうる立場にあったので知らないことをもって免責されるものではない」と批判した。

 小池氏は報告書について「いつ、どこで、誰が、というのはかなり絞り込まれた」と評価。責任者8人については「マネジメントと責任感の欠如、前例踏襲、チェック不足、職種間の連携不足…、残念ながらきりがない」と強い口調で指摘。その後も「(都議会などで盛り土について)事実と異なる説明を続けてきたのは言語道断だ」と指弾した。

 一方、責任者の一人とされた中央卸売市場の元新市場整備部長、宮良(みやなが)真氏(退職)が「盛り土をしないことを了解した事実はない」などとする反論書を都に提出したことが7日分かった。