東京が映画に浸った10日間! 『第29回東京国際映画祭』リポート
10月25日に開幕した映画の祭典『第29回東京国際映画祭』が11月3日に閉幕。六本木を中心に、東京が“映画の街”になった10日間。華やかなレッドカーペットからグランプリ発表までを振り返る!
大女優メリル・ストリープから安倍首相まで!
毎年、映画祭の幕開けを華やかに演出するレッドカーペット。今年はハリウッドで最も敬愛される女優メリル・ストリープの登場も話題となった。オープニング作品『マダム・フローレンス!夢みるふたり』を引っ提げ、日本をイメージしたという鶴をあしらったバレンティノのドレスでファンやメディアを魅了したメリル。レッドカーペットでファンサービスにたっぷりと応じ、「たくさんの人が集まってくれてうれしい!」と笑顔。特別ゲストの安倍晋三首相、あでやかな着物姿のフェスティバルミューズ黒木華、はかま姿で登場したクロージング作品『聖の青春』松山ケンイチ、東出昌大らとともに、レッドカーペットのエンディングを華やかに飾った。
佐々木希、橋本愛、蒼井優、高畑充希、安藤サクラ、大野いとなど日本映画界の人気女優や、斎藤工、青木崇高らイケメン俳優たちも、それぞれドレスアップして登場。映画やドラマで活躍するスターたちの姿にサインを求めるファンの歓声もひときわ高まる。他、『ミュージアム』のカエルマスク集団、『俺たち文科系プロレスDDT』出演のプロレスラーたち、特別上映作『乱鶯』の古田新太、稲森いずみの和服2ショットも目を引いた。
約1200名の観客の声援を受けながら国内外計380名のゲストが歩いた今年のレッドカーペット。時おり小雨が降りはしたものの終始熱気に包まれて大成功。盛大に映画祭が幕開けした。
会期中も多彩なイベントに豪華映画人が登場
10日間の会期中は、多彩な映画人が登壇するイベントも多数開催。今年の目玉企画の一つ〈映画監督 細田守の世界〉では、細田守監督が是枝裕和監督ら豪華ゲストとトークを行い、秘蔵話も披露。ファンを大いに喜ばせた。トークやQ&Aも充実していた今年のTIFF。より作品への理解を深めたり、監督や俳優の新たな魅力を発見した人も多かったのでは。
東京グランプリはドイツの敏腕監督C.クラウスに
注目のコンペティション部門最優秀賞〈東京グランプリ〉に輝いたのは、日本でもヒットした『4分間のピアニスト』でも知られるドイツのクリス・クラウス監督作『ブルーム・オブ・イエスタディ』。小池百合子東京都知事からトロフィーを授与されたクラウス監督は「この映画を撮ることは簡単ではありませんでした。今回の受賞で、日本でも公開されることを期待しています」と喜びと意気込みを語った。また『ダイ・ビューティフル』でトランスジェンダーの主人公を演じたパオロ・バレステロスが最優秀男優賞を受賞し、華やかなドレス姿で登場。他にもARIGAT?(ありがとう)賞を新海誠監督、高畑充希、妻夫木聡、そしてゴジラが受賞。SAMURAI (サムライ)賞を黒沢清監督とマーティン・スコセッシ監督が受賞した。
コンペティション部門 東京グランプリ:『ブルーム・オヴ・イエスタディ』(監督:クリス・クラウス)
審査員特別賞:『サーミ・ブラッド』(監督:アマンダ・ケンネル)
最優秀監督賞:ハナ・ユシッチ監督(『私に構わないで』)
最優秀女優賞:レーネ=セシリア・スパルロク(『サーミ・ブラッド』)
最優秀男優賞:パオロ・バレステロス(『ダイ・ビューティフル』)
最優秀芸術貢献賞:『ミスター・ノー・プロブレム』(監督:メイ・フォン)
WOWOW賞:『ブルーム・オヴ・イエスタディ』
観客賞:『ダイ・ビューティフル』
アジアの未来部門 作品賞:『バードショット』(監督:ミカイル・レッド)
日本映画スプラッシュ部門 作品賞:『プールサイドマン』(監督:渡辺紘文)