〈11・21 イケメン興行〉黒潮“イケメン”二郎が親子の絆で悲願のデルフィン越え
WRESTLE-1の黒潮“イケメン”二郎の全面プロデュースによる「みんながもっとイケメンを好きになる☆」が21日、東京・新木場1st Ringで行われた。
この大会は文字通りイケメンがやりたい放題やる大会で、コンセプトからカードまで自ら考え抜いたもの。本人は全3試合に出場した。
第1試合はかつてのキャラクター、黒潮二郎で登場。TAJIRIとタッグでバラモン兄弟と対戦。
このキャラは水泳キャップにゴーグル、そして笛というプールの監視員キャラ。試合中も笛を加えたままでピーピー吹きまくる。インディー界でも屈指の破天荒キャラのバラモン兄弟ですら「ピーピーうるせえんだよ」と突っ込むほど。試合はバラモン兄弟が得意の場外乱闘、さまざまな道具を使っての攻撃でペースを握る。しかし黒潮も随所に“笛攻撃”を挟み込み、ペースを握らせない。そしてついにバラモンシュウにダイビングボディープレスを決めフィニッシュ!と思ったものの、レフェリーが直前の乱闘に巻き込まれておりダウン。黒潮のカウントを数える笛の音がむなしく会場に鳴り響くなか、「HOLD OUT」に乗ってシークレットゲストの武藤敬司が特別レフェリーとして登場。マットを叩くが、入場がゆっくりだったためシュウは蘇生しカウント2で返す。
「遅いよ~」と武藤に抗議しながらも、改めてフィニッシュを狙った黒潮にケイが墨汁攻撃。まともに食らった黒潮をシュウが横入り式エビ固めに捕らえると、武藤がやや高速の3カウントを叩き、黒潮は11分52秒、ピンフォール負けを喫した。
第2試合は現在の姿、黒潮“イケメン”二郎となってアンディ・ウー、吉岡世起とWRESTLE-1イケメン選抜軍を結成。IWA熱波軍の木藤裕次、松田慶三、マスクドミステリー組と対戦した。
試合前恒例の熱波軍の観客との掛け合いがWRESTLE-1軍、そしてレフェリーにも波及し、和やかな雰囲気となったが、ゴングが鳴ると一気にバチバチの激しい展開に。
しかしアームロックをかけられジャケットが顔にかかると、極められながらももう片方の手で顔が見えるようにジャケットを直すなど、キャラも忘れず。
そして木藤とはジャケットとハッピでチャンバラを繰り広げるなど、まさにイケメンの現在進行形の「明るく激しいプロレス」だ。
最後は木藤にイケメンサルトプレスを決め、27分28秒、3カウントを奪った。
メーンイベントは本名の樋口壮士朗となって、プロレスラーを目指すきっかけとなったあこがれのスペル・デルフィンとシングルマッチで対戦した。
この試合のリングアナウンサーを務めるのは父の二朗さん。黒潮一家総出でデルフィン戦に臨んだ。
デルフィンをリスペクトするイケメンはデルフィンクラッチを改名したイケメンクラッチを普段の試合でも使っているのだが、その完成度は本家には及ばず。だが試合前に「イケメンクラッチで勝つ」と宣言。とにかくイケメンクラッチを狙うのだが、ダメージの浅いデルフィンにすぐにキックアウトされる。計5回試みたものの、結局決めることはできず、デルフィンの反撃に遭う。
デルフィンはフェイスロック、逆エビ固めと地味ながらもシビアな攻撃を見せ、フェイスロック式のキャメルクラッチではギブアップ寸前まで追い込む。
そして垂直落下式ブレーンバスター、大阪臨海アッパー、DDT、そしてコーナーからのスイング式DDTとフルコースから満を持してデルフィンクラッチの体勢に入ると壮士朗が下から丸め込む。この自称「デルフィンクラッチ返し」で逆転の3カウントを奪い、9分46秒、勝利を収めた。
試合後、イケメンは「デルフィンさんを見て育った。そして今の黒潮“イケメン”二郎があります。一言ください」とデルフィンにマイクを渡すとデルフィンは「自分も小さいころからプロレスファンだった。そして自分もいろいろなあこがれの選手と戦ってきた。そして今日こうして反対の立場となって、イケメン選手から指名があった。光栄なことです。そしてこのスペル・デルフィンから勝ったという勲章を持って、WRESTLE-1の、いや日本のプロレス界のトップとして絶対に君臨してくれ。それが今日このスペル・デルフィンが言える最大の言葉だ。頼むよ」とエールを送った。
最後は樋口壮士朗から現在進行形の黒潮“イケメン”二郎に戻り「世界を変えるのは俺だ! フィニッシュ!」と絶叫。大会を締めくくった。