平面の奥へ。『エリザベス ペイトン:Still life 静/生』

原美術館 開催中?5月7日(日)
「Nick(First drawing)」 2002 Collection David Teiger Trust cElizabeth Peyton, courtesy Sadie Coles HQ, London; Gladstone Gallery, New York and Brussels; neugerriemschneider, Berlin

 デヴィッド・ボウイやOASIS、カート・コバーンの肖像画などで、音楽ファンや海外カルチャーファンにも名を知られるアメリカの現代画家エリザベス ペイトンによる、日本の美術館における初個展。近年では風景や静物、オペラからもインスピレーションを得るなどその表現を一層深め、各国で高い評価を得ており、本展では作家自ら厳選した42点を展示し、25年の画業を一望する。

 ペイトンが主に手掛けるのは、自身にとって“憧れ”の存在だったり“美”を描いた肖像画や静物画。ロックスターなど、有名なカルチャーアイコンの肖像画が知られるが、ペイトンのユニークな点は、世にイメージが出回っているミュージシャンや歴史上の人物と、自身の恋人や愛犬、花などの身の回りの存在が、いずれもフラットな目線でとらえられていること。ロックスターも愛犬も等しく、そこに感じた美を、透明感のある特有の色彩や描線で描いていく。

 小品も多いため、邸宅建築である原美術館の空間での鑑賞は、静けさの中の生をより生き生きと感じさせてくれる。

エリザベス ペイトン:Still life 静/生

【時間】11?17時(祝日を除く水曜は20時まで。入館は閉館時刻の30分前まで)【休】月曜(3/20は開館)、3月21日【料金】一般1100円、大高生700円、中小生500円【問い合わせ】03-3445-0651【交通】JR品川駅より徒歩15分【URL】 http://www.haramuseum.or.jp/