【全日本フットサル選手権】3月18日〜20日・国立代々木競技場第一体育館

現役時の北原氏(cSMD/JFAnews/Yoshinobu HONDA)

「フットサルはスポーツ観戦を通じて非日常を味わいたい方にはもってこいのスポーツ」
JFAフットサル委員 北原亘氏に聞く

 現在、JFAフットサル委員を務める北原亘氏は昨年2016年に現役を引退するまで、名古屋オーシャンズで全日本フットサル選手権を4度制するなど、この大会の重みも魅力も知り尽くす人物。

 まずフットサル選手にとってのこの大会の存在とは?

「全日本フットサル選手権大会は、サッカーでいうところの天皇杯です。プロもアマチュアも関係なく日本一を目指せる、“フットサル界最高峰のカップ戦”。例年、“F対地域”(Fリーグvs地域リーグ)が取り沙汰され、意地と意地のぶつかり合いが観られます。また、出場チームにとってシーズン最後の公式戦となるため、現存のメンバーで戦える最後のタイトルでもあります。引退する選手のために、移籍する選手のために、そして自分自身のために。各選手が、非常に思い入れを持って戦う大会です」

 今大会を最後にシュライカー大阪の村上哲哉、バルドラール浦安の小宮山友祐といった日本代表を支えた名プレーヤーが引退する。彼らとの思い出を聞かせてください。
「村上哲哉選手、小宮山友祐選手は、日本代表として長く一緒にプレーした同志です。同じポジション(FIXO)だったこともあり、ライバルでもあり、目標でもありました。同じく今シーズンで引退を表明している鈴村選手(デウソン神戸)含め、3人の偉大な先輩がいたからこそ、私はFIXOというポジションに誇りを持ち、いつかその背中を追い越してやろうという気概で、現役時代を突き進むことができました。感謝しています。村上選手、小宮山選手との思い出は何と言っても日本代表での活動です。小宮山選手は偉大なキャプテンでした。村上選手は、同じ時期にダブルキャプテンとして活動した仲間でした。その中でも、2012年開催のタイW杯で一緒に戦い、日本フットサル史上初の決勝トーナメント進出を成し遂げたことは忘れられません。今シーズンは上記に挙げた3選手以外にも、甲斐選手(ペスカドーラ町田)や太見選手(フウガドールすみだ)、奥田選手(シュライカー大阪)などフットサル界の礎を築いてくれた名プレーヤーが引退します。彼らの存在がなければ、フットサル界の発展はありませんでした。その功績は語り継がれるものだと思います」

 昨年引退して、ピッチの外から見ることになって改めて気づいたフットサルの魅力や楽しみ方があれば教えてください。

「まずは、その迫力を楽しんでもらえればと思います。フットサルはサッカーに比べて、非常にゴールが近いスポーツです。常にサッカーのゴール前での攻防がコート上で繰り広げられていると思って下さい。エキサイティングな試合展開に酔いしれるはずです。そして、その足技に注目して下さい。コートが狭い分、足下の技術が要求されます。細かいテクニックで魅了する選手に必ず出会えます。お気に入りの選手を見付けて楽しみましょう。最後に、フットサル観戦は、刺激を求めている方にお勧めです。目まぐるしい攻防戦が繰り広げられるため、ビール片手に友達とゆっくり談笑しながら試合観戦とはなかなかいかないですが、スポーツ観戦を通じて非日常を味わいたい方にはもってこいのスポーツです。ぜひ会場へ足を運んで、興奮を体験してみて下さい」

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