広がって、伝わって。『花森安治の仕事 — デザインする手、編集長の眼』

世田谷美術館 開催中?4月9日(日)
中吊り広告「暮しの手帖 1世紀99号」デザイン:花森安治、1969年2月1日刊行用、世田谷美術館蔵

 ドラマ『とと姉ちゃん』のモデルとなった大橋鎭子とともに『暮しの手帖』を手掛けた稀代のマルチアーティスト花森安治(はなもり・やすじ、1911?1978)に迫る展覧会。

 1946年3月、花森は大橋鎭子を社長とする衣裳研究所を銀座に設立、新進の服飾評論家としてデビューする。“直線裁ち”という誰もが簡単に作れる洋服を提案した雑誌『スタイル・ブック』が評判を呼ぶが、その後、かねてより計画していた生活家庭雑誌『美しい暮しの手帖』(のちの『暮しの手帖』)を1948年9月に創刊。後に社名も暮しの手帖社へと変更した。

 衣食住をコンセプトにしつつも、社会と庶民の暮らしを見つめ続け30年間にわたり一切広告を入れず、雑誌は発行100万部に迫るまでに成長。実は、その表紙画からカット、レイアウト、新聞広告、中吊り広告まで、取材や執筆はもとより、制作から宣伝まですべてを手がけたのが編集長・花森安治だった。

 展覧会では花森の足跡を全6章で追う。学生時代の作品や戦時下の仕事にも着目しつつ、『暮しの手帖』編集長として手掛けた多彩な仕事を詳しく紹介するほか、花森が誌面で紹介した日用品や愛用品なども展示。

【時間】10?18時(入場は閉館の30分前まで)【休】月曜(3/20は開館、翌21日は休館)【料金】一般1000円、65歳以上800円、大高生800円、中小生500円【問い合わせ】03-3415-6011【交通】東急田園都市線 用賀駅 美術館行きバス「美術館」にて下車のち徒歩3分【URL】 http://www.setagayaartmuseum.or.jp/