全日本フットサル準々決勝 前年覇者・町田が敗退

決勝点となる2点目をあげたすみだの清水(11)(撮影・上岸卓史)

「第22回全日本フットサル選手権」の決勝ラウンドが18日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開幕。この日は準々決勝4試合が行われ、府中アスレティックFC、フウガドールすみだ、デウソン神戸、シュライカー大阪が勝ち、19日に行われる準決勝にコマを進めた。カードは府中vsすみだ、神戸vs大阪となる。

 第3試合では前年覇者のペスカドーラ町田がフウガドールすみだと対戦した。Fリーグのプレイオフファイナルラウンドに進んだ町田はこの決勝ラウンドからの登場となる。

 また長く日本のフットサルを牽引してきた金山友紀が今大会を最後に引退するとあって、町田としてはどうしても負けられない試合だった。

今大会をもって引退する町田の金山は最後まで闘志あふれるプレーを見せた(撮影・上岸卓史)

 試合開始早々からすみだの太見と町田の滝田が小競り合うなど激しい展開。

 ともにゴール前までボールを運ぶ機会は多く、シュートにもつなげるものの、ディフェンスが固くなかなか決められない展開が続く。しかし前半の終盤、タイムアウトを経て試合が動き出す。2度目のタイムアウト後、町田の森岡の右サイドからのフリーキックに金山が飛び込むも届かず、左ワキ腹からゴールに激突。一瞬ヒヤリとしたものの、金山は気合一発、すぐに立ち上がるとベンチに走って戻り、チームメートに少ない残り時間での得点を託す。

 しかし、すみだは残り10秒でキックインとコーナーキックからミドルシュートを連発。ルーズボールをシュートするも、枠を外し、町田は九死に一生を得る。逆にこのプレーで得たボールをGKピレス イゴールがロングスロー。森岡が頭で合わせるも惜しくもバーを叩き、ホイッスル。

 後半に入ると、開始早々にすみだの宮崎がゴール前で粘り、シュートを決め先制。8分には左サイドからのクロスを清水が右隅に決め、2-0と突き放す。

 町田も森岡にボールを集め逆襲に転じるがGK大黒の好セーブに阻まれ1点が遠い。終盤、パワープレーに転じ、18分にエンドライン際の金山にパスが通ると走りこんできた森岡にパス。森岡が豪快に決め1点差に詰め寄ったが、すみだの固い守りを崩せず、2-1ですみだが勝利を収めた。

チアゴのシュートを懸命にクリア!(撮影・上岸卓史)

 第4試合は湘南ベルマーレvsシュライカー大阪。

 今年のFリーグ覇者・大阪が満を持しての登場となった。

 大阪は前半開始早々、カウンターからパスをつなぎチアゴがシュート。ポストに当たりゴールラインに転がったところに詰めていた田村がごっつぁんゴールで先制。

 その後も大阪の猛攻が続くが、湘南も徐々にチャンスを作り、大阪ゴールを脅かす。しかし湘南はイージーミスからボールを失うなどイマイチいいムードが続かない。大阪はコーナーキックからゴール前でボールを持ったチアゴがGKの上にふわりと浮かせてゴールを狙うが、湘南FPがクリア。ラインを割っているとアピールするも認められない。

大阪のチアゴは後半17分、ダメ押しのゴールを決めた(撮影・上岸卓史)

 しかし13分にはキックインのボールを湘南がオウンゴール。2-0と大阪が突き放す。

 その後も大阪はGK柿原のロングスローから佐藤がボレーシュートを決めるがバーに直撃。終了間際にアルトゥールが遅延行為でイエローをもらうなど、こちらもいまいち乗り切れないまま前半が終了した。

 後半、湘南は序盤からロドリゴが遠めから強烈なシュートを放つものの、GKが好セーブを連発。他の選手も積極的にシュートを放っていくが精度に欠きゴールには至らない。終盤、パワープレーに移行してからも強引な仕掛けでボールを奪われ、チアゴに無人のゴールに流し込まれ、3-0に。大阪がFリーグ覇者の貫禄で完封勝ちした。