全日本フットサル シュライカー大阪が5年ぶり3度目Vで2冠達成

すみだは西谷(14)のゴールで先制したが…(撮影・上岸卓史)

「第22回全日本フットサル選手権」決勝ラウンドの最終日が20日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された。

 決勝で今年のFリーグ王者のシュライカー大阪がフウガドールすみだを破り、5年ぶり3度目の優勝を飾った。

 決勝の前半2分、すみだは右サイドからの宮崎のクロスに左サイドの西谷が合わせ、先制する。3分には大阪のGK柿原がセンターライン付近まで出たところでボールを奪った宮崎が無人のゴールへシュートを決め、開始早々に2点のリードを奪う。

 ここで大阪は早々にタイムアウトを取り立て直しを図る。功を奏したか、再開後の4分には左サイドでパスをもらったアルトゥールがディフェンスを交わし、シュートを放ち1点を返す。

 ともにパスカットからの速攻のカウンターを狙うスピーディーな展開。6分には大阪の佐藤のスライディングですみだの西谷が倒され、佐藤にイエローが出ると、小競り合いが起こるなど決勝ならではの熱い戦い。

 そんな展開もあってか開始6分の段階ですみだは5つのファウルを数える。

MVPとなったアルトゥール(5)はこの日4得点(撮影・上岸卓史)

 しばらくすみだの攻勢が続いたが、9分には右サイド駆け上がってきた大阪の選手を倒してしまい、第2PKを与えると、これを大阪のアルトゥールが決め、2-2の同点に追いついた。徐々にリズム取り戻してきた大阪の反撃が始まる。

 10分に今度はすみだがタイムアウト。再開後はすみだも速攻からのカウンターを見せ、試合はめまぐるしく攻守が入れ替わる。

 しかし17分にはすみだはまたも第2PKを与えてしまい、これもアルトゥールが冷静に決め、ついに3-2と大阪が逆転し前半を終える。

 後半は大阪がゴールラッシュを見せる。まず3分に右サイドからの小曽戸のバスを受けたチアゴがゴールを決め、4-2と引き離す。

 すみだは自陣内のキックインをワンタッチもせずに出してしまうなど意思の疎通を欠いたプレーも飛び出した。一方の大阪は8分にはパスカットから3人でパスをつなぎゴールに迫るなど押せ押せムード。

今大会を持って引退する大阪の奥田、村上、水上(左から)は有終の美を飾った(撮影・上岸卓史)

 すみだは9分に左サイドをボラが切り裂きクロスもゴール前には届かない。

 大阪は10分には左サイドからのパスを受けたチアゴが振り向きざまにシュートを決め、5-2となおも突き放す。

 すみだは残り6分でパワープレーに移るが、大阪の寄せが早くパスコースを消されてしまい、思うように崩せない。数的有利を生かせないまま時間だけが過ぎていく。18分にはボールを奪われ、素早いキックインからアルトゥールが無人のゴールに蹴り込み6-2。20分にはパスミスからチアゴにゴールを決められ7-2。

 大阪が大差で勝利し、Fリーグと合わせて2冠を達成した。

 MVPにはこの日、4得点、大会を通じ決勝ラウンドのみの出場ながら6得点を挙げた大阪のアルトゥールが選ばれた。

 またフウガドールすみだにはフェアプレー賞が授与された。

3位決定戦で唯一の得点をあげた府中の宮田(9)(撮影・上岸卓史)

 決勝に先立ち行われた3位決定戦では府中アスレティックFCが1-0でデウソン神戸を破りで大会を終えた。

 前半は府中が押し気味に試合を進めるが、シュートがGKの正面を突く場面が多く、得点には至らない。

 しのぐ時間が続く神戸はパスカットからのカウンターを時折見せるが、ラストパスがつながらない。18分には松宮がGKと1対1のチャンスが訪れるも、持ちすぎて前に出てきたGKにシュートを阻止される。

 後半も主導権を握ったのは府中。しかし府中もパスは回るものの、なかなかシュートに至らないもどかしい展開。シュートを放ってもGKの正面だったり、好セーブにあったりで得点にはつながらない。

5本のシュートを放った神戸の稲田(88)。しかし1点が遠かった(撮影・上岸卓史)

 11分にはパスカットからボールが皆本に渡り、シュートを放つも、ゴール前に走りこんできた自軍の徳嶽に当たってしまう。

 12分には神戸のキックインからパスカットした府中がカウンター。ゴール前でパスをもらった渡邉はターンしてシュートもGKが好セーブ。千載一遇のチャンスを逃す。

 しかし13分に均衡が破れる。右サイドでボールをもらった徳嶽がキープし、中央に折り返しのパス。宮田が右足を振り抜き、豪快にゴールに蹴り込み、やっと先制点を挙げた。

 反撃に出る神戸だったが府中の寄せが早く、シュートはGKの正面を突く。残り3分でパワープレーに移った神戸は稲田が強烈なシュートを連発するが、府中GK田中が立て続けに好セーブ。府中が1点を守り切り、勝利を収めた。