4・23修斗 フェザー級王者・斎藤がレジェンド宇野を破り初防衛

斎藤のヒザが宇野のボディーに炸裂(撮影・小黒冴夏)

 プロフェッショナル修斗公式戦が23日、千葉・舞浜アンフィシアターで行われた。

 メーンでは世界フェザー級王者の斎藤裕が初防衛戦に臨み、挑戦者の宇野薫を5R3-0の判定で破り防衛に成功した。

 宇野は1999年にかつて舞浜にあった「東京ベイNKホール」を舞台に佐藤ルミナと修斗ウェルター級王座決定戦を戦い、王者に輝いた。翌年、同所でルミナを相手に防衛し、その場で王座を返上。今回はそれ以来、約17年ぶりとなる修斗世界タイトル戦。

 宇野、舞浜、タイトル戦、という単語に吸い寄せられたファンも多かったようで、この日は「舞浜…ちょっと遠いな…」とふだんはついつい足が遠のきがちになっていたファンも多く駆けつけた。

 試合はタックルからグラウンドに引き込もうとする宇野に対し、組み止めた斎藤が逆にテイクダウンを奪ってはパウンド、ヒジで削る展開が長く続く。

 宇野はケージを巧みに使いポジションを変え、下から腕を狙う動きなどを見せるが斎藤は深入りすることなくパウンド、ヒジを落とし続ける。

宇野のバックを制する斎藤(撮影・小黒冴夏)

 スタンドでは後半、ケージに押し付けた宇野のボディーにヒザ蹴りを連打。着実に宇野のスタミナを奪い、ポイントを稼いでいく。

 宇野は4Rにはバックを取り返し、グラウンドに引き込もうとするもグリップが外れ、斎藤に逃げられ、千載一遇のチャンスを逃す。5Rにも斎藤の背中に乗りかけスリーパーを狙うが、斎藤にしのがれてしまう。

 判定の内訳はジャッジの1人が50-44、2人が50-45と数字の上では斎藤の完勝。しかし、宇野は41歳にして終盤の4、5Rになっても動きは衰えず、最後まで一本を狙う動きを続け、観客の視線を釘付けにした。

 斎藤は昨年1月に中村ジュニアとの決定戦を制し世界王者となるが、9月のVTJで元パンクラス王者のISAO、今年1月にはノンタイトル戦でマイク・グランディと連敗を喫し、王者として崖っぷちに立たされていたが、今回は王者の“強さ”をきっちり見せたうえで防衛を果たした。

3R、扇久保のスリーパーはほぼ決まったように見えた(撮影・小黒冴夏)

 セミファイナルでは世界フライ級王者の扇久保博正が昨年4月の王座獲得以来の参戦を果たした。

 扇久保は昨年下半期はUFCフライ級王者デメトリアス・ジョンソンへの挑戦権をかけて行われた「TUF」に参加。各国のチャンピオンクラス16人が集まった中で決勝まで進んだ。

 この日の相手は元UFCファイターのダニー・マルティネス。扇久保は1R序盤からグラウンドでマルティネスを翻弄するが、ラウンド終盤に出会い頭の左ストレートを食らい、フラッシュダウン。大きなこぶができるほどの強烈な一撃だったが、ゴングまでしのぎ切ると、2R以降はスタンドでは三日月蹴りで動きを止め、マルティネスのパンチをかいくぐっては、きっちりタックルからのテイクダウンを決めグラウンドの展開を制する。3Rにはバックを取って背中に乗りスリーパーホールドであわや一本の場面まで追い込み、3-0で判定勝ちを収めた。

 扇久保は試合後のマイクで「日本のフライ級が1番とか2番とか言って戦っているので、RIZINのオファー待っています」とRIZIN参戦をアピールした。

猿田は箕輪を圧倒した(撮影・小黒冴夏)

 この日は今後のストロー級戦線を大きく左右する試合が2試合組まれた。

 1月大会で猿丸ジュンジとの次期挑戦者決定戦で引き分けた猿田洋祐が昨年の新人王MVPの箕輪ひろばを迎え撃ち、3Rを通じグラウンドで何もさせず、地力の違いを見せての判定勝ちを収めた。

 猿田は「箕輪選手は若くていい選手。これからに期待したい。本当は(内藤)のび太選手とやりたかったが今はいないので、(内藤の)後輩のチャンピオンの飛鳥選手、僕のケンカを買ってください」と王座挑戦をアピールした。

澤田は木内を秒殺KO(撮影・小黒冴夏)

 澤田龍人はパンクラス、ZSTで活躍し、昨年から修斗に参戦する木内崇雅と対戦。

 木内はニシダショー、ジェットタテオと世界ランカーを連覇。一躍注目を集める存在となっていたが、澤田はゴング早々、プレッシャーをかけてケージ際に追い詰めると左ストレートをクリーンヒット。ダウンした木内にパウンドの連打で1R1分8秒、秒殺勝利を収めた。

 澤田は「1位の選手と挑戦者決定戦をやらせてください」とアピール。

 王者・飛鳥拳をめぐりストロー級がまだぞろ騒がしくなってきた。