ZST王者・柏﨑がRIZINのバンタム級トーナメント出場希望を表明

挨拶した3人の王者。伊藤、柏崎、加藤(左から)(撮影・蔦野裕)

 総合格闘技「ZST.56」(5月6日、東京・新宿FACE)でZSTバンタム級王者・柏﨑剛が今秋開催されるRIZINのバンタム級トーナメントへの出場をアピールした。

 この日の休憩時間明けにフライ級王者・伊藤盛一郎、フェザー級王者・加藤惇とともにリング上から挨拶した柏﨑は「去年11月にZSTのチャンピオンとしてたくさんの期待を背負って試合をしたにもかかわらずふがいない結果になってしまって申し訳ありません。その罪滅ぼしといってはなんなんですけど、RIZINのバンタム級トーナメントに出ます! 有名になるためとかではなく、ZSTを高みに持っていくため、そして強くなるためにRIZINに出ます」と明言した。今後はRIZINからのオファーを待つこととなる。4月に行われたRIZINでは伊藤がRIZIN常連の才賀紀左衛門を判定ながら危なげなく破り、ZSTのタイトルホルダーの実力は示しているだけに参戦の可能性は十分にありそうだ。

 また加藤は5月12日に行われる修斗公式戦に出場し魚井フルスイングと対戦。こちらも「ZSTのチャンピオンとして負けられない試合。プライドを持って試合をしたい」と話した。

平(右)はマックスを圧倒(撮影・蔦野裕)

 この日の大会は王者3人が出場しなかったが、メーンではライト級王者の平信一がマックス・ザ・ボディをグラウンドで圧倒し3-0の判定で破った。かねてから「Road to ボブ・サップ」とRIZINでのボブ・サップ戦を目標に掲げる平にZSTが用意したのがこのマックス。宮田和幸率いるBRAVE GYMの秘密兵器との呼び声もあり、また見た目もサップをこじんまりとした感じ。1R早々にはグラウンドでバックを取ってチョークスリーパーをうかがう場面もあったが、そこをしのぐと後は平が圧倒。マックスはグラウンドで平に上を取られてもパワーで体勢を入れ替えるなど、“仮想サップ”を思わせる動きもあったが、あえなく撃沈した。

 平は試合後のマイクで「ボブ・サップvs平、まだ忘れちゃいないぞ。そろそろ海外に行っちゃうよ」とKINGレイナばりのアピールも忘れなかったが、このカードでのRIZIN出場はちょっと難しいかも?

坂巻(右)の右フックが松下を襲う(撮影・蔦野裕)

 バンタム級に階級変更後、快進撃を続ける坂巻魁斗は判定ながら松下祐介を一蹴した。坂巻はかつてはグラウンドで一本を極める試合が多かったが、最近では打撃を積極的に繰り出すスタイルにチェンジ。この日も果敢に打ち合い、松下を下がらせる。松下が苦し紛れにタックルにくると、潰してグラウンドでも有利に試合を運ぶ。2Rには組みついた松下を逆に押し込み、リフトしてテイクダウンを奪うとバックに回ってスリーパーを狙うが極めきれず、判定となってしまったが、内容は圧勝といってもいいものだった。

 試合後、坂巻は「タイトルマッチで負けてからバンタム級に階級を上げて、5連勝。中国でウクライナ人のチャンピオンを倒したり、2回KO勝ちといいところは見せていると思う。ZSTをもっと高みにもっていきたいので、僕もRIZINを目指したい。BRAVEから宮田先生がRIZINに出場されている。誰かが宮田先生の背中を追いかけなきゃいけない。それは僕だと思っている」とこちらもRIZIN出場をアピールした。

【写真左】ZST初登場の小金翔(右)は高橋弘にセコンドのタオル投入によるTKO勝ち 【写真右】田村淳(左)は韓国のユン・ホヨンとドローに終わった(撮影・蔦野裕)