KHAOS.2 龍矢が軍司にK-1甲子園のリベンジ 佐野は里見を返り討ち MVPは晃貴

龍矢(右)の右が軍司を襲う(撮影・小黒冴夏)

 K-1グループのK-1、Krushに続く第3のブランド「KHAOS」の第2回大会「KHAOS.2」が5月13日、東京・新宿FACEで開催された。

 実験的な場でもあるKHAOSは旗揚げ戦で前日の計量後に抽選で対戦相手を決める「KHAOS ROYAL」という斬新な企画を試みた。今回は出場選手全員が10代という「KHAOS TEENS」と、これまた斬新な大会となった。

 メーンでは昨年のK-1甲子園-55kg決勝で拳を交えた軍司泰斗と龍矢が対戦。2-0の小差の判定で龍矢が勝利を収めた。

 試合は1Rから意地と意地がぶつかり合う白熱の展開に。判定の難しいラウンドが続いたが、やや龍矢のほうが有効打が多かったか、30-29が2人、29-29が一人という判定で龍矢が勝利を収めた。

 試合後のマイクで龍矢は「去年のK-1甲子園決勝で軍司選手に負けて、めっちゃ悔しかったので、今日、何とか勝つことができてよかったです。みなさん僕の名前を覚えて帰ってください」と挨拶。

 Krush3月大会で出貝泰佑に勝利を収め、武居由樹の持つ「Krush -53kg王座」への次期挑戦者となっていた軍司にとっては痛恨の敗戦となった。一方、龍矢はこの勝利でトップ戦線入りへ大きなアピールとなる。

佐野(手前)がコーナーに詰めての連打でダウンを奪う(撮影・小黒冴夏)

 セミファイナルではKrushの-58kg、-60kgのトップ戦線で活躍する佐野天馬とKHAOS.1でKO勝ちを収めている里見柚己が対戦。佐野が3-0の判定で勝利を収めた。

 1Rからローキックを打たれればローで、ミドルにはミドルで、と一歩も引かない展開。里見は左ストレートで飛び込むが、佐野は右のローとミドルでじりじりと追い込んでいく。2Rになると試合は大きく動く。佐野がプレッシャーをかけコーナーに追い込むと三日月蹴り、なおもパンチの連打。最後は左ボディーから顔面へ右フックを決めダウンを奪う。立ち上がった里見だったが、佐野が追撃のヒザをボディーに打ち込み、さらに右ボディーブローを放ち2度目のダウンを奪う。

 なんとか立ち上がった里見に佐野はラッシュをかけ仕留めにかかる。3度目のダウンは即試合終了。がっちりガードを固め残り時間をしのごうとする里見だったが、「これではレフェリーに止められてしまう」と誰もが思った瞬間、一瞬のすきを突いた里見が左フック一閃。ダウンを奪い返す。
 
 3Rは里見も勢いを取り戻し激しい打ち合いとなったが、終盤やや息切れ気味の里見に対し、佐野は最後まで攻撃の手を止めず、3-0の判定で勝利を収めた。

 KHAOSではAbema TVから大会MVPとベストバウトにボーナスが贈られるのだが、この佐野vs里見戦が今大会のベストバウトに選ばれ、2人には各5万円の賞金が贈られた。

KO勝利後、セコンドに就いていた武尊が晃貴を肩車(撮影・小黒冴夏)

 大会のMVPを獲得したのは第4試合で笠見玲慈を1R2分53秒、KOで下した晃貴。

 序盤は互角に打ち合った2人だったが、徐々に晃貴がプレッシャーを強め距離を詰めるとパンチを連打。笠見はキックで距離を取ろうとするが、晃貴は構わず距離を詰め、パンチの連打から最後は右ストレートでダウンを奪う。

 笠見はなんとか立ち上がったが、晃貴はまたもロープに詰めてパンチのラッシュ。なんとか反撃を試みた笠見だったが、動きが止まり、晃貴のパンチがアゴをとらえたところでレフェリーが試合を止めた。

 晃貴はMVPの表彰後「応援に来てくれたみなさんありがとうございます。母の日に何かを買ってあげようと思います」と10代らしいコメントで会場をほっこりさせた。

【写真左】第3試合は石塚宏人(右)が龍斗に3-0の判定勝ち 【写真中】第2試合はREITO BRAVELY(右)が森坂陸に3-0の判定勝ち 【写真右】第1試合は瑠久がNATSUKIを3-0の判定で破り、デビュー戦を飾った(撮影・小黒冴夏)