6・18 K-1 野杁がゲーオ破り王座獲得 武尊KO勝ち 小澤は西京に敗れる

野杁(右)のローキックがゲーオを削る(撮影・小黒冴夏)

「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN~第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント~」(6月18日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)で2大タイトルマッチが行われた。

 スーパー・ライト級はゲーオ・ウィラサクレックに野杁正明が挑戦。延長にもつれ込む熱戦の末、野杁が判定で勝利を収め、第2代王者に輝いた。

 1Rからゲーオが手数で上回る。パンチで局面を打開したい野杁だが、パンチでもゲーオが先手を取る厳しい展開。2R以降も先手を取るのはゲーオ。しかし押し込まれながらも野杁は左のローで反撃。ゲーオの右足の裏は大きく腫れ上がった。それでもキックの威力に衰えはないゲーオ。勝利を確信したゲーオが3Rを流しにかかるが、そこで野杁のポイントとなったか、3R終了後の判定は2人がドローで延長に。

 この日のゲーオは本戦中からややホールディングが目に付いた。延長でも警告を受けるなど印象が悪かったか、延長では2人が野杁を支持し、野杁が際どい判定をものにした。

ルイとゴンナパーの打ち合いに会場が沸いた(撮影・小黒冴夏)

 ウェイ・ルイにゴンナパー・ウィラサクレックが挑戦したライト級タイトルマッチはルイが2-0の判定で勝利を収め、初防衛し成功した。

 1R終盤にルイが変則の飛びヒザ蹴りでダウンを奪うが、ゴンナパーは2Rに入って得意のローを中心に反撃。左ストレートでぐらつかせるなどルイを追い込む。3Rになってもゴンナパーの勢いは衰えない。ローを効かされ足を引きずるルイを得意のローで追い詰めるゴンナパーだったが、ルイはなんとかしのぎ切り勝負は判定に。一人がドローとする接戦の末、ルイが初防衛を果たした。

武尊の強烈なボディーブロー(撮影・小黒冴夏)

 スーパーファイトに登場したスーパー・バンタム級王者の武尊はかつてK-1 MAXで活躍したアルトゥール・キシェンコが送り込んだ刺客ブバイサ・パスハエフと対戦。

 しかしブバイサは前日計量をクリアできず、本来であれば減点1、グローブハンディのペナルティーを科せられるところだったのだが、武尊がそれを拒否。同じ条件で戦うこととなった。

 試合は足を使って回るブバイサを武尊が追う展開。1Rゴング後にブバイサが武尊に突っかかり一悶着。ブバイサはこれで減点1となった。2Rも武尊が追ってブバイサが足を使って交わしてはパンチで飛び込む展開。強いパンチにひやりとさせられる場面もあったが、武尊は3R、ブバイサの左に右フックをかぶせダウンを奪う。立ち上がったブバイサをコーナーに詰めると連打を浴びせ、最後は右ボディーフックで2度目のダウンを奪い、3R1分17秒、KO勝ちを収めた。

西京(左)が武尊を狙う小澤に勝利(撮影・小黒冴夏)

 この日は武尊が王者として君臨するスーパー・フェザー級戦線で大きな動きがあった。昨年来、武尊をつけ狙う小澤海斗が武尊の同門である西京春馬と対戦し、3-0の判定で敗れた。

 距離を取って戦う西京に対し、自分の距離にしたい小澤が一気に詰めると、西京はコーナーに下がりながらも左フックからの右フックでダウンを奪う。ダメージのないダウンとあって小澤はスリップを主張するが受け入れられず。これで前に出るしかなくなった小澤だが、西京はミドルで距離をとって小澤の攻撃は単発に。19歳とは思えない老獪な動きを見せる西京。3Rには小澤の前蹴りをさばくと右フックでぐらつかせる。結局、小澤に何もさせず、30-26、30-28、30-27の3-0の判定で危なげなく勝利を収めた。

【写真左】大雅(右)のキックが皇治を襲う 【写真右】平本がウマル・パスハエフを完封(撮影・小黒冴夏)

 カード発表会見で乱闘騒ぎを起こした大雅と皇治の一戦は大雅がスーパー・フェザー級王者の実力を見せつけ3-0の判定で返り討ちにした。大雅は入場曲の冒頭に仁義なき戦いの旋律を流し、着流しスタイルで登場。遺恨決着に並々ならぬ意欲を見せたが、これが力みにつながったか、序盤は動きの固さが目に付く場面も。皇治もパンチで反撃するが、スピードでは大雅が一枚上でなかなかクリームヒットすることができない。試合が進むにつれ徐々にペースを取り戻した大雅が有効打で上回り、最後は3-0の判定で勝利を収めた。

 初代ライト級王座決定トーナメントで準優勝した平本蓮が本来のスーパー・ライト級に階級を上げ、ウマル・パスハエフと対戦。判定ながら力の差を見せつけ勝利を収めた。終始、平本がプレッシャーをかけ続け圧倒。ウマルが体を寄せ組みついて、攻撃をしのぐ場面が多く、KOこそ逃したが、危なげない判定勝ちだった。