新生K-1初のたいさま大会 アラゾフが第2代王者 野杁がゲーオ破る

アラゾフを最後まで苦しめた城戸(左)は無念の判定負け(撮影・小黒冴夏)

 新生K-1初のさいたまスーパーアリーナ大会となった「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN?第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント?」(6月18日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)は超満員札止めの8000人の観衆を集め行われた。

 トーナメントではチンギス・アラゾフが優勝し、第2代王者となった。

 アラゾフは1回戦の中島弘貴戦から異次元の強さを発揮。左の多彩な蹴りとヒザ、そしてパンチのコンビネーションで中島に付け入るすきを与えない。最後は左の飛びヒザと左ショートアッパーで2度のダウンを奪いKO勝ち。準決勝は日本の日菜太を判定で破った、Krush王者のジョーダン・ピケオーを右フック1発で1RKOとほぼノーダメージで決勝進出。

 反対のブロックから決勝に上がったのは日本の城戸康裕。城戸は準決勝で昨年敗れたサニー・ダルベックに雪辱を果たすなど、こちらも2連続KOと絶好調の仕上がり。

 1Rからジリジリとした緊張感あふれる攻防が続く中、1R終盤にアラゾフが先制のダウンを奪う。ここまでの2試合で絶対的な強さを見せつけてきたアラゾフとあって、会場にあきらめムードが漂ったが、城戸は2Rに狙い澄ました左ストレート1発でダウンを奪い返しポイントをイーブンに戻したが、アラゾフは3Rに2度ダウンを奪い、判定ながら文句なしの勝利を収めた。

西京(左)が小澤を破り、スーパー・バンタム級戦線は混とん(撮影・小黒冴夏)

 一夜明け会見でアラゾフは同階級で気になる選手を聞かれると初代王者マラット・グレゴリアンの名前を挙げた。
 今大会は初めてのさいたまスーパーアリーナ大会とあってスーパーファイトにも豪華なカードが並んだ。

 2大タイトルマッチが行われ、スーパー・ライト級は野杁正明がゲーオ・ウィラサクレックを破り第2代王者に輝いた。3Rでは決着がつかず、延長ラウンドへ。この日はややホールディングが多かったゲーオは印象が悪く、ジャッジは野杁を支持した。

 ライト級はウェイ・ルイがゴンナパー・ウィラサクレックを破り初防衛に成功した。1Rにルイが変則の飛びヒザ蹴りでダウンを奪うが、ゴンナパーは2R以降、得意のローを中心に反撃。左ストレートでぐらつかせるなどルイを追い込んだが、なんとかしのぎきったルイが2?0の際どい判定をものにした。

負けたのにマイクを奪い取りアピールする城戸(撮影・小黒冴夏)

 また武尊が王者として君臨するスーパー・バンタム級戦線では昨年来、武尊をつけ狙う小澤海斗が武尊の同門である西京春馬と対戦し、3?0の判定で敗れた。

 西京は小澤の持つKrush?58kg王座への挑戦をアピール。来年2月のさいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ大会にも影響を与える戦いとなりそうだ。