天龍源一郎自身が「涙する」ドキュメンタリーがDVD化

天龍プロジェクトの嶋田紋奈代表(左)と天龍源一郎

珠玉のドキュメンタリー映画『LIVE FOR TODAY-天龍源一郎-』がBlu-ray&DVD化
 2年前に現役を引退したミスタープロレス、天龍源一郎。その引退発表から引退試合までの激動の1年を追いかけたドキュメンタリー映画『LIVE FOR TODAY-天龍源一郎-』が今年2月に公開された。

 映画はプロレスラー天龍源一郎を描くのはもちろん、父として、夫としての嶋田源一郎の姿も描き切り、プロレスのドキュメンタリーという枠には収まらない作品となっていた。

 そのBlu-ray&DVDが引退試合を行った11月15日にリリースされ、同日、発売記念イベントが東京・神保町の書泉グランデで行われた。イベントに先立ち、天龍と、天龍とともに引退ロードを駆け抜けた愛娘で天龍プロジェクトの代表を務める嶋田紋奈さんが引退から2年が経った現在の心境を語った。

 今回のBlu-ray&DVD化について天龍は「映画ができるという時も気恥ずかしいものがあったが、今は皆さんが家庭で楽しんでいただければいいなという気持ちになっています」、紋奈さんは「最初はここまでくるものだとは思っていなかった。皆さんにたくさん背中を押していただいて今日という日を迎えられた。本当にこの映画の着地点をBlu-rayとDVDの発売というところに置いていたので夢がかなってうれしい」とそれぞれ語った。

 天龍は「現役を辞めて暇だから思い出した時に見ている。もう13回。見るたびにまた新しい感情が出てきて、そのたびに涙している。見逃していたところを回顧する形で、自分の中で気づかされるものがあって涙することもある」と話す。また「俺のドキュメンタリーを撮ると言われて、映画を見た時に、俺じゃなくて周りがサポートしてくれて俺が成り立っているということをつくづく思い知らされた」とも。

仲のいい父娘の2ショット

紋奈さんは作品中の天龍の言葉で結婚を決意
 作品中には映画のプロデューサーを務めた紋奈さんですら「知らなかった映像がたくさんあった」とのこと。最後に天龍が家族に対する思いを吐露するシーンがあるのだが、そこも紋奈さんは知らなかったと言い「こんなふうに考えてくれていたんだと映画を見て初めて分かった。あまり身内を誉めたがらない一家なので、そういうのは不思議というかありがたかった」と話した。実は前日に東京スポーツに紋奈さんの結婚がスクープされていたのだが、その知らなかったシーンでの天龍の自分たちに送られた数々の言葉に「今までと変わらない状況で、かつ自分の幸せを願うことが親孝行にもなるのかな、と。映画の中での父親の発言で踏み切れた。映画がなければ、いまだにプロレス会場を遮二無二走り回っていたかもしれない。私にとっては婚活映画」とのこと。この天龍の家族に対する思いはぜひ作品を見てほしいところ。

最後はジャンボ鶴田ばりの「おー」で締めた天龍

日本語字幕付きも字幕のプロすらギブアップする個所も…
 ちなみにリリースされたBlu-rayとDVDには日本映画でありながら日本語字幕がついている。
 天龍は「ここにいる皆さん(取材に来た記者たち)も僕の言うことをすべて理解しているのに、なぜ映画に字幕をつけるの?と思ったけど、アル・パチーノになった気分ですよ(笑)。でも所々理解不能なところもあると思いますから、字幕を入れてくださって感謝しています」と納得顔。

 字幕のチェックは紋奈さんの仕事だったのだが、「めちゃくちゃ楽しかった。(字幕の)プロの方にこんなに伝わっていないのかと(笑)。最初に送られてきたものの中で“力道山関”というのが“リードして”になっていたり、※印の注釈があって“不明瞭”とか“全く聞き取れない”って書いてあったりで訳もしてもらえていないところもあった(笑)。でも楽しかったし字幕は完璧です」とのこと。

 天龍は現在13回見た中で一番のお気に入りの場面については「鈴木みのるがいいこと言っているところがあって、“この野郎、一番いいところもっていきやがって”って(笑)。それが一番腹立たしい。かっこいいこと言ってるなって、ちょっとムカッときました(笑)。でもあの鈴木の言葉でみんなぐっとスクリーンに引き込まれて最後までいけたという気がする。すごい効果があったと思う」と話した。