劇団Rexy新作公演『風呂ダンサーズ』で座長を務める北野翔太さんにインタビュー・前編【脱こじらせへの道 第61回】

 前回は12月14日から上演が始まる劇団Rexyの公開稽古の模様をお届けしましたが、今回は本公演で座長を務める北野翔太さんにインタビュー。最近では女性向けAV以外にも活動の幅を広げている北野さんにこれまでのこと、そしてこれからのことを根掘り葉掘りうかがいました。

(撮影・蔦野裕)

■撮るほうから撮られるほうへ
――まずは女性向けのAVに出ることになったきっかけについてお伺いしたいと思います。
「そこからですか? 恥ずかしいな、これ(笑)」

――デビューして2年になりますが、そのきっかけとそれまでの経歴は?
「当時、GIRL’S CHに『街角セクシーイケメンカタログ』という企画があって、スカウトしていただきました。そしてSILK LABOの『COCOON』というレーベルの作品に最初に出まして、GIRL’S CHでは祖父江ヒロコ監督の『After School』という作品が最初。上原亜衣さんとの学校を舞台とした作品でした。それまではカメラマンをしていました。大学は写真学科を出ているので」

――デビューして2年が経ちました。環境や自分自身の中で変わったことってあります?
「普段からもう何をするにも“これが人にはどう見えているんだろう”というように、“見られている”ということを意識しながら町を歩くようになりました」

――実際に街で声をかけられることって?
「あります、あります。最近特に多くなってきた。“一緒に写真撮ってください”とか、“応援してます”とか」

――「私、AV見てます」って言うようなものですから、声をかける女性にとっても結構勇気がいりますよね。
「でも最近、活動がいろいろと幅広くなってきているので。それこそ舞台とか。そこで知ってくださった方もたくさんいらっしゃるので、僕を知るきっかけが一概にAVとも言えなくなってきているような気はします」

――最近は、劇団Rexy以外でも舞台に立つようになっていますもんね。
「外部の舞台に出演させていただいたりしています」

――お芝居はこれからもやっていきたい?
「もちろんやっていきます。なんだかんだ言って、初舞台から2年で今回で8本目。結構いろいろやらせていただいたので、せっかくここまで来たんだからこれからも続けていきたいと思っています。それがいろいろと糧になると思うし、SILK LABOとかGIRL’S CHの作品に還元できるとも思っていますので」

――Rexyがきっかけになって、舞台というものに興味を持つようになった?
「そうですね。演出家さんと関わるうちに、ちょっとずつ自分の中で舞台への興味が芽生えてきて、それに演出家さんが気づいてくれて外部の舞台に呼んでくださったりとかして、いろいろ広がってきています」

■女性向けAVでの新しい挑戦
――2年間、お芝居やAVに出たりする中で何か印象に残っている作品とか役はありますか?
「なんだろう…。ええと…舞台だと『晴れときどき、わかば荘』はすごく印象に残っています。初めて原作モノをやりましたし、原作者の羽生山へび子先生もいまだに仲良くしてくださってますし」

――GIRL’S CHの作品だと何かありますか?
「ああ~。なんだろう…『変態用務員に何度も犯されて』ですかね(笑)」

――あの作品、全編見させていただきました。めちゃくちゃ良かったです。
「それは良かった(笑)。ありがとうございます」

――最近、GIRL’S CHでは新しいジャンルの作品に挑戦するときには北野さんに出演をお願いすることが多いですよね。
「なんとなくそんな感じはしていました(笑)。“新しい企画を北野で試そうぜ!”っていう流れには薄々気づいてます(笑)」

――いろいろとご協力いただいています。
「いや、とんでもない。基本的には毎回、新鮮な撮影で楽しくやらせていただいています」

――これも最近の作品ですが、『囚われた捜査官 ~愛した女が俺の敵~』ではアクメ地獄に…。
「よく女の子がキャットスーツで潜入して捕まっちゃうようなやつの男版ですね。最近では超高級ソープボーイもやりました。女の子の腕を股で挟んで洗いながら“玉洗いです”って台詞がクライマックスでした (笑)」

――そういう新しい企画をやるときに真っ先に出ていただくのでありがたく思っております。
「いえいえ」

――SILK LABOやGIRL’S CHでもこれまでドラマものが多かった中で、最近、ソープボーイとか、そういう企画が来た時ってどう思いました?
「いやあ、ビックリしましたよ。とりあえず、最初に選んでもらえたという喜びはありましたけど、それ以上に企画内容にはビックリしました。でも結果的には楽しくやらせていただいています。ただ今回の舞台のパンフレットで主な出演作というところに『変態用務員に何度も犯されて』を載せようと交渉してみたんですが、さすがに断られました(笑)。さすがにそれはまずいと」

――新企画の時に真っ先に北野さんにお願いするのは、北野さんだったらうまくやりこなしてくれるんじゃないかというふうに制作側も思っているんですよね。お芝居もできるし、作品の中のプレイ的な部分でも女性向けの表現は分かっている方ですので。
「いろいろな現場に行っても、お芝居がうまくなってきているね、って言われるようになったのは舞台に出るようになってからですね。映像では演技については誰かに教えられるというわけではないんです。だから“セリフを当てる”とかいう概念は知らなかった。舞台で演出家と関わることで、“あっ、芝居ってこういう動きがあるんだ”っていうことを初めて知って、それを映像の現場で試すと、やっぱりちょっとは成長していたりする。舞台をこなしながら映像をやっていって、だんだん自分も上がっていけているのかな、と思っています」

 というわけで、お芝居も女性向けAVも、ますます表現の幅が広がってきている北野さん。

 未知の作品でも演じきってくれる、役者・エロメンとしての表現力にはますます可能性を感じますね。

 次回は、まもなく公演が始まる「風呂ダンサーズ」のことを詳しくお伺いしたいと思います。

北野翔太(きたの・しょうた) プロフィール
1991年6月9日生まれ
身長:168cm
血液型:O型
趣味:写真
特技:水泳

<公演情報>
劇団Rexy第5回『風呂ダンサーズ』
【日時】12月14日(木)~17日(日)(開演は木金13時/19時、土日12時/17時。客席開場は開演1時間前。当日券は開演1時間前)【会場】コフレリオ新宿シアター(新宿)【料金】S席1万円(前方3列、非売品2L版ランダムブロマイド、終演後出演者と記念撮影)、A席5000円(非売品ポストカード付き)【問い合わせ】劇団Rexy(info@rexy.tokyo[HP]http://rexy.tokyo/stages/)【作・演出】鄭光誠【出演】北野翔太、夏目哉大、倉貫匡弘、中嶋時男、加賀功平、柿原康希、岡部直弥、上原千明、西嶋悠、山下正揮、浅井陽登、佐伯恵太、佐々木陽平、森田兼史/有馬芳彦

田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。