【インタビュー】噂のイケメンピアニスト、大井健が映像作品「ピアニストはおもしろい職業」
ピアニストの大井健から目が離せない。優しく美しく癒したっぷりの演奏、そしてイケメン!と人気を集めている彼がいま、よりいっそうの注目を集めている。作曲家の中村匡宏とタッグを組んだピアノデュオ、鍵盤男子もメジャーデビューを果たし、活躍の場を広げる。そんな彼のいまに触れられる作品がリリース目前で……。
――ソロピアニストとしてメジャーデビューしたのが2015年。昨年は、デュオの鍵盤男子としてもメジャーデビューを果たしました。大井健というはどんな人?と注目が集まるなかでリリースされるのが『Piano Love The Movie~Music Documentary Film~』。映像作品です。
もともとCDを作りたいということがあったんですけど、ファンの方やお客様から、映像作品を見たいという声をいただいたんです。テレビに出演すると反響もいただいたりしますし、デビューアルバムの『Piano Love』、次の『Piano LoveⅡ』を出させていただいて、その集大成として映像を撮ってみよう、ということになったんです。
―― “オフ・ピアノ”というか、弾いていないときの姿がふんだんに収められています。映像作品を作ると決めたときに、どんなアイデアを持っていましたか?
「どんな風に練習しているのか」と、よく聞かれるんです。僕も自分が好きなスポーツ選手がどんな練習をしているのか見ることができるなら興味がありますから、コンサートをしていない時のピアニストってどんな生活しているのか、他の方はどうしてるかは分からないですけど、僕を通して、それを見て楽しんでいただけたらなって。そんなことを思ってました。
――ドキュメンタリーと銘打つと「命を懸けてピアノをやっている」とか苦悩する姿みたいなものを収めるイメージが強いですが、それよりも「すごく楽しくピアノをやっている」のが伝わってきました。Piano Loveというか、Love Pianoというか…。
それは良かった(笑)! 例えば、ショパンコンクールに密着とか、アカデミックで緊張で張りつめたドキュメンタリーもあると思うし、それは見応えがあると思います。ただ、この作品はピアニストって結構おもしろい職業だなって思ってくれる人がいたらいいなと思って。厳しいところ、大変さ、頑張っているところを、僕があまり見せたくないっていうのもあるんですけどね。それに、映像ですけどBGMのように流してもらえるものを作れたらいいなとも思っていたので、この基調になっていると思います。
――自撮りの部分がかなりありますけれど、大井さんのアイデアですか?
自撮りゆえのおもしろさ、撮影チームが入っていない状態で僕ひとりしかいない状態を撮りたいってことで、映像作品を撮ることが決まってから、言われたんです。でもまさか、こんなに自撮りすることになるとは思ってなかったです(笑)。最初は嫌で預けられたカメラも置きっぱなしだったんですけど、期限が迫ってきちゃって、撮るしかないと。2週間ぐらい回しました。朝イチで何日も撮りましたし、練習するところはほぼ回してたかな。
――練習風景を記録することはありますよね?
しますよ。小さいころは試験の前とかよくしてました。ただ、最近はあまりしていなかったので、すごく新鮮だったなあ。こんなラフな感じで撮影したことも、なかったですし。試験の前とかはやっぱり目的がありますからね。例えばフォームとか。ゴルフのフォームと同じで、手の形が自然に使えているかとか、映像を見て修正したりするんです。
――練習室の壁に貼ってあったジャクソン・ポロックのポスターが気になりました。
2008年か2009年だったかな、仕事でニューヨークに行った時、ずっと行きたかったMOMAに行ったんです。その時に買いました。どうやって持って帰ってきたんだろう(笑)
――ポロックの手法とピアノの演奏って、なんとなく似てるところがあるような気がして。そういうところなのかなと、勝手に思ったりしました。
…そうかもしれない!(笑)。すごい気に入ったんですよ。
――作品のなかで、「チャレンジの時」「チャレンジしたい」といったことを話していましたが、そう感じているのはなぜでしょうか?
昨年、初めてソロで全国ツアーをさせていただきました。これまでにリリースした2つのアルバムの曲を演奏させていただいて、お客さんとのふれあいやアンケートで、今までとは違った新しい面、「こういう大井健を見てみたい、聞いてみたい」というご意見をたくさんいただいたんです。そう思っていただけるなら見せたい、と。デビューしてからイージーリスニング的な局面にスポットをあててずっと活動をしてきましたけど、僕にはそうじゃない面もありますから。
――パワーとエナジーとか、男性的な演奏とか、そういうところでしょうか。
そういう要素のもの(男性的な力強さ)も大好きです。ただそれはデュオ(鍵盤男子)でやっていて、自分のなかでは、鍵盤男子があるからソロでは控えていた部分でもあったんです。でも、お客さんの意見を聞く中で、自分で使い分けをしなくてもいいんじゃないか、大井健としても出していけばいいって思うようになりました。大井健でも、鍵盤男子でも、どちらでもひとつの面だけだとつまらない。それぞれ深みを増したいなと。
――鍵盤男子でイージーリスニング的なものを演奏しても鍵盤男子でしょうし、ソロでポップでエネルギッシュなものを演奏してもやっぱりそれは大井さんでしかないんじゃないでしょうか。
そうなっちゃうでしょうね(笑)。
――これはその「チャレンジ」とは違うのかもしれませんが、作品のなかで、東京都庭園美術館で演奏しています。「ホールではないところで演奏したい」といったくだりがありますが、演奏家としては、環境の整った場所で演奏したいというのが本心ではないかと思うのですが。
ああ、あれは、作品の中でも話していますが、僕はオペラユニット「レジェンド」の専属ピアニストとして10年演奏してきて、本当にいろんなところで演奏してきたんです。ホールも、そうじゃないところでも。美術館、例えば今回の庭園美術館だとかは、僕自身がだだっ広いコンクリートの空間が好きで、そこで弾いてみたいというのが前からあったからなんです。ソリッドな空間でピアノが響くっていうのがいいんです。もちろん、クラシックホールも好きですよ! ただ、庭園美術館はすごく素敵でした。エンジニアさん、録音スタッフのおかげで最高の演奏が撮れました。その部分だけでも聞いてほしいです。
――この作品の発売当日、2月14日には「Piano Love The Movie プレミアムコンサート」が行われます。
発売記念という意味合いのコンサートになるので、演奏するのはこの作品に収めた楽曲とこれまでの『Piano Love』2作品からになると思います。ただ、夏になるまえ、5月とか6月からライブをしたいなと思っているので、それへの橋渡しになる“ニュー大井健”も聴かせられたらとは思っています。
――バレンタインデーですね(笑)。
いらっしゃってくださる方ひとり一人が、頑張った自分へのご褒美でピアノのコンサートに来て、自分自身を癒していただきたいなって。そんな気持ちで来ていただけたらと思います。
(聞き手/TOKYO HEADLINE・酒井紫野)
Piano Love The Movie プレミアムコンサート in HAKUJU HALL
【日時】2月14日(水) 18時30分開場 19時開演
【会場】HAKUJU HALL(代々木公園)
【料金】全席指定6000円(税込)
【公演・チケットの問い合わせ】カンパニーイースト( TEL:03-6427-0162=平日11~17時、E-mail:info@companyeast.jp)
キングレコード 2月14日(水)発売 5500円(税別)
普段は見られない練習風景、プライベートショット、東京都庭園美術館で行われるプライベートコンサートの映像を収録。アルバム『Piano Love』『Piano Love Ⅱ』収録の人気曲に加え、新曲、CD未収録のクラシックの名曲など全8曲を収録している。