久保賢司が「武居は相当性格が悪い」【3・21 K-1】
久保優太と賢司がそろって公開練習
「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~」(3月21日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)に出場する久保優太と久保賢司が2月23日、公開練習を行った。
K-1 WORLD GPウェルター級王者の優太はメルシック・バダザリアンを挑戦者に迎え、初防衛戦に臨む。賢司は「K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級タイトルマッチ」で王者・武居由樹に挑戦。兄弟そろってタイトル戦に出場する。
バダザリアンは昨年行われた「初代ウェルター級王座決定トーナメント」の1回戦で山際和希を判定で破ったものの、準決勝は怪我のため棄権。まだ底を見せておらず、優太にとっては不気味な存在。
賢司は昨年行われた「第2代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」の決勝で武居に敗れており、リベンジマッチとなる。
この日はともに2分間のシャドーを行った後、2人でマススパーリング。その後、個別に会見を行った。
優太「今は疲労のピーク。気の利いたコメントが言えないかも」
優太は「あと1カ月ほどあるので、今は疲労のピーク。肉体とメンタルは連動するので疲労がたまるのに合わせてメンタルをやられ、それに伴ってさらに肉体も疲労するという、“試合前あるある”状態になっています。だからこういう公開練習の時に“絶対に勝つ”とか気の利いたコメントが言えないかもしれないんですけど今日はよろしくお願いします(笑)」といきなりの優太節。そして「若いころに比べて疲労がたまりやすくなって、昔は1日寝ると回復していたのが、今30歳なんですが全然回復しない。次の日に“起きるのがつらいな~。腰が痛いな~。走れないや”という感じになって、よく朝走るのをさぼるんです(笑)。試合が近づくにつれて調子が上がってくるんですが、そうなると減量のピークでどんどんメンタルがやられちゃう。調子がいいときがないじゃないかって感じなんですけど(笑)」などと続けた。
とは言いつつも「試合は3分×3R。短距離走の人がマラソンの練習をするわけではないと思うので、それと一緒。3分×3Rでどれだけ全力で120%の力を出せるかということが大事だと思っている。今回も負けたくないので結構練習はしてきているんですが、やっぱり練習はきついな、つらいなって思います。一番つらいのは“また明日も練習か”って思うこと(笑)。前回もそうなんですが、僕は自分に甘えちゃうというか、自分一人で練習していると120%の力を出せない。矢口トレーナーは唯一僕を怒ってくださる師匠なので、あえてそういう厳しい場所に行っています。ドMですね(笑)。そういう感じで負けないために厳しい環境でお願いしています」と矢口トレーナーのもとでの厳しいトレーニングをうかがわせた。
対戦相手のバダザリアンについては「試合が決まった時は“行けるな”と思った。相手のことは研究しますが、格闘技は自分との闘い。いかに自分が120%の実力を当日に出せるか。出せれば絶対に勝てると思っているので、相手が強いとか弱いとかということは特に思わない」としたうえで「印象はスピードがあるし勢いがある。ディフェンシブな選手ではないのでいい試合ができそう。人間はいいことしか考えないから僕は自分がKOしているシーンしか思いつかない。夢だと一方的にボコボコにしている。パンチを当てさせずに勝つ。そして相手以上のスピードを見せつけたい。いけるかな? 今はちょっと自信がないんですけど(笑)」などと話した。
「メインなんてないですないです」
今回はさいたまスーパーアリーナのメインアリーナでの大会となるが「今回のような大舞台だと失敗できないというか、120%の自分を出さないといけない集大成のような大会だと思うので、そういう焦りもあってめっちゃ練習しています。大舞台に燃える男です」と話した。まだ試合順が決まっていないのだがメインイベントで戦いたいという意識については「ないですないです(笑)。試合の順番なんてあまり関係ないと思っているので中間くらいで…。こういうこと言っちゃまずいですかね? みんな“俺がメインだ!”とか言ってるんですか?(笑) メインはトーナメントの決勝じゃないんですか? あのトーナメントすごいですからね。僕は僕の試合で盛り上げるというか、前座になりますよ(笑)」と脱力系のコメント。
現在、平昌五輪が開催中なのだが「矢口トレーナーが“羽生結弦の映像を見ろ”と進めるので見ました。他の競技のことはよく分からないんですが、怪我をされて1カ月しか練習ができない中で金メダルを取るということはすごいことだと思いました。僕だったら1カ月しか練習できなかったら試合当日、会場に行きませんね。怖くて逃げちゃいます。100%の練習ができていない中で試合に臨み、オリンピックという大舞台で結果を残すというのは同じアスリートとして尊敬しますね」と話した。
賢司が武居に「いつまでも猫かぶってんじゃねえよ」
賢司は現在のコンディションについては「僕は普通のK-1ファイターと違って、技術の向上とかそういうことではなくてメンタル的なもの、いかに殺気を出していくかというところが重要になってくる。そういった意味では、彼に対しては殺気しかないので仕上がってきていると言ってもいいのかなと思う。普段の状態と試合のモードに入った時の感情の落差がありすぎて、私生活ではつらい時もあるんですが、これは試合をやるうえではすごいプラス。メンタルを上げるという意味では、彼に対しては復讐心といったものばかりがあるので、ネガティブな殺気がすごく爆発している。そういった意味では武居君は今までの相手では感じたことのない雰囲気なんかを感じることになると思う。そこは自分の武器にしていこうと思っています」などと話した。そして「タイトルとかベルトには全く興味がない。本当に個人的な復讐心というか、1年前にすごい恥をかかされた。あの時は自分はもう続けていくつもりはなかったので、試合後には純粋に“おめでとう”と言いましたが、やるとなったら、あの時に恥をかかされたという復讐心がどんどん沸いてきた。そこに一番のモチベーションがある」と続ける。
武居はファンの間ではさわやかキャラで通っているのだが賢司の見立てはちょっと違うようで「実際に戦ってみて、相当性格が悪いなって思いました。若さもあるので、こちらが誘えばど突き合ってくれるかな、そういう荒々しい部分があるかなって思ったんですが、相手を殴り殺しにするようなスタイルだったので、本当にこいつは性格が悪いと思いました。いい言い方をすればクレバーなんでしょうけど。彼に対しては、“いつまでも猫かぶってんじゃねえよ”と思いますけどね。“みんな大好き”じゃねえよ。殺す気で来いと思います。まあ殺す気で来るんでしょうけど。だから迎え撃ってやろうと思っています」と辛らつ。そして武居の弱点について「彼は今まであんなに楽しそうに伸び伸びと戦っていて、本当の怖さって経験したことがないと思う。本当に自分のことを殺しに来る相手の怖さを今回初めて体験するだろうし、そうなったときにボロを出すと思う。技術的にはパーフェクトに近い選手だと思うが、そこにもろさがあると思う。彼が本当に恐怖を感じた時にすべてが崩れていくんじゃないか」と話した。そして「僕の目的は3月21日に会場に来ているみんなをドン引きさせること。武居君がせっかくK-1の顔になった次の試合でいきなり心を折られて座りこんじゃったら、みんなは“これからK-1はどうなっちゃうんだろう”っていう不安を抱いたり、思いっきりしらけると思うので、それが自分の役割かなと思っている。そこを楽しみにしてほしい。僕という悪役がやられるところを楽しみに見てくれるのもいいですけど、結果的にどうなっているかは自分自身も楽しみ」などと話した。