【インタビュー】山下健二郎が岸本司監督とのショートフィルムで海の男
山下の主役としての頼もしさにも助けられたと監督。
岸本「最終日、時間が迫っていて役者さんもスタッフも皆、追い詰められていたんですが、そのとき山下さんが“大丈夫、落ち着いて行こう”と声をかけてくれたんです。現場の空気感が一瞬で落ち着きました(笑)。主役として周りのこともしっかり見ていてくれた。機会をもらえるなら、山下さんとぜひまた一緒にやらせていただきたいですね。今度はまったく違うキャラクターを演じてほしいですし」
山下「いいですね、ぜひまた沖縄で(笑)。いろいろな仕事をいただく中でも、今回は短い時間ながら100%気持ちよくやらせていただきましたし、自分としても成長させていただいた気がしています。撮影の合間にスタッフの方に沖縄の話を伺うのも楽しかったですし、日本の各地で、こうしてすごい熱量を持って作品作りをしている方々と仕事できたということも自分の財産になりました」
岸本「じゃあ次はコメディーなんてどうですか(笑)」
山下「いいですね、僕もコメディー好きなんです。また漁師でもいいですけど(笑)」
岸本「山下さんなら、また違う漁師役ができるでしょうしね(笑)。どんな役でも山下さんの芝居で作品を豊かにしてくれるはずです」
一途すぎる海の男を演じる山下のリアルさも映像に力を与える。
山下「地元の人感、出ていました?(笑)。海の男らしい表情はもちろんですが、服装や髪型といった部分のリアルさにも自分なりにこだわりました。最初に渡された長靴が新品だったので、それをわざと汚したり。漁師さんが身に着けているものや使う道具って使い込まれているんです。そういうこともちゃんと見えるほうが映像にリアルな力がでますよね」
ショートフィルムながら力強さを持つ作品。本作を通して感じたショートフィルムの魅力とは?
山下「やはり短い時間の中でも伝わるメッセージ性の強さではないかと思います。とくに今回は、6作品すべてに、心に突き刺さるような瞬間がある。短いので1本1本リフレッシュしつつ見ながら、それぞれの見ごたえを楽しめるという、お得な感じがしますね(笑)」
岸本「映画館でもネットでも映像を見ることができる今、ショートフィルムが求められるのは時代の要請のような気もします。ネットで気軽に見ることができるというのももちろんですが、本作のように映画館でも楽しめる、見ごたえあるショートフィルムがどんどん作られるんじゃないかなと思います。そういう意味でも多彩な才能を持つEXILE TRIBEのアーティストがショートフイルムでこれだけのものを見せてくれるというのは、EXILE TRIBEのファンはもちろん、映像作家にとっても素晴らしいことだと思います」
山下「僕も他の作品を拝見しましたけど、僕だけでなくメンバーそれぞれが役者人生の扉をまたひとつ開いたんじゃないかなと思いましたね。岩ちゃん(岩田剛典)なんて普段と全然違う姿を演じ切っていて、役者としてジェラシーすら感じます(笑)。もちろん僕自身もこの作品で成長できたと感じています。僕らの新しい面を表現できたと思っているので、あれこれ言いながら楽しんでもらえればうれしいです!」
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)