【インタビュー】小澤雄太が最新主演舞台で壬申の乱「前提、覆したい」

 小澤雄太(劇団EXILE)の最新舞台『暁の帝~壬申の乱編~』が27日、幕開けする。古代最大の内乱とされる「壬申の乱」を描く古代エンターテインメントで、小澤が演じるのは大海人皇子(おおあまのおうじ)。古代ならではの少し混乱した人間関係のなかで内乱を起こすという役どころだ。小澤は「前提を覆す作品にしていきたい」と、意気込んでいる。
撮影・上岸卓史/ヘアメイク・遠藤一明、菊地弥生(ともに、ひつじ)/衣装協力・CALEE INC.
時代がどう作られてきたのかというところを表現したい

――最初にこの舞台の話があったとき、一番最初に感じたことはどんなことでしたか?

まずは光栄だという気持ちです。そして、ちょっと悩みました(笑)。歴史の話って難しかったり堅苦しさもあって、自分がこの役を全うできるのかなって思ったんです。でも、何かの瞬間に初心に返ったんですよ。自分はなぜ悩んでるんだ、何ビビってるんだって。20代のころを振り返ると何も考えずに「やらせていただきます!」って即答できていただろうに、今は……。これって何なのと。ぜひやらせていただきたいと次の日にはお返事しました。

――歴史は好き…でしたか?

……学生の時から全然好きじゃなかったです(笑)。だから、壬申の乱については、お話をいただいてから勉強させていただいています。映像だったり漫画、難しい本(笑)。薦めていただいたものを見たり読んだりしています。万葉集も拝見しました。歴史上の出来事は、いろいろな角度からの見方や解釈があるので、インターネットで違った説に触れてみたりもしています。倭国というのが日本になる瞬間を、時代がどうやって作られてきたのかというところを表現できたらと思います。

――新しい作品や役に臨むとき、まず資料にあたって勉強されると思うのですが、そこで得た知識は、演じるにあたって、どのくらい生かされるものでしょうか。

それは作品だったり役によると思うんですけど、こうした勉強が役に直接つながるというよりも、人物を知るための手助けというかヒントになります。時代が変わっても人は人、人間そのものってそんなに変わってないと思うんですよ。この作品ならば、壬申の乱が起こってしまうような時代に生きている人間に、この時代に生きている自分という人間が、どこまで向き合えるか。そうやって向き合うための勉強だと思っています。

――歴史物や時代物というと、戦国時代であるとか幕末のイメージが強くなりがち。そのなかでこの舞台はさらに前の古代の話ですね。

そういった時代と比べてしまうと……こういってはなんですけど、ピンと来ない時代だって思っている人が多いんじゃないでしょうか。知ってる人は知ってるし、好きな人は好きだしっていう。だけどこれはチャンスだと思っています。向かっていくところ、どこを見せたいかというのをみんなと話しあい、みんなと一緒に走っていきたいと思っています。
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