ウェディングフェスでRap人前式、KEN THE 390が誓いのRap
日本最大級のウェディングフェスティバル「Tokyo Wedding Showcase」が24日、代々木公園で行われ、人気ラッパーKEN THE 390による「Rap人前式」が行われた。多様化するライフスタイルに合わせた新しいカタチの結婚式の一つとして行われたもの。その「Rap人前式」ってどんな式? 女子ライターも勝手に出席してきました!(取材と文・ミクニシオリ)
この日、人前式を行ったのは一般の新婚カップル。2人は結婚式を挙げる予定がなかったというが、本イベントに当選し、急きょ、式を挙げることが決まったのだそう。
式は、KEN THE 390と新郎がステージで新婦を待つ中、ヴァージンロードに、新婦が母親に付き添われて登場してスタート。母親にゆっくりとベールをかぶせてもらった新婦はそのままゆっくりとヴァージンロードを歩いて、新郎のもとへ。2人が揃うとリングボーイが2人に指輪を手渡し、指輪の交換。そして、愛し合う2人の誓いのキスだ。
ここまでは普通に行われる挙式とあまり変わらないが……ここからが「Rap人前式」ならではの演出。いよいよ、KEN THE 390による「誓いのRap」が行われる。
「誓いのRap」は、新郎と新婦がそれぞれお互いのために考えたもの。お互いに内容は伝えずにKEN THE 390と何度もミーティングを重ねて完成させたという。それを、この場で、お互いに贈り合う。
「うれしい時や楽しい時 顔くしゃくしゃにして笑うところが好き
作ったごはんを いつもおいしいと 言って食べてくれるところが好き」
新婦から新郎へのRapの中の一節だが、新婦の新郎への愛情の深さをひしひしと感じる。お互いの想いが、KEN THE 390のRAPに乗ると、形式に則った誓いの言葉よりも、よりノンフィクションな2人の想いがそのままダイレクトに伝わるように思った。また、RapはKEN THE 390がリードして歌いつつ、新郎新婦も口ずさむシーンもあって、微笑ましい光景が広がった。
会場では最新の結婚式トレンドの一つである「リボンワンズ」が配られた。バルーンとリボンのついたかわいらしいワンズは、この結婚式を実現させた結婚情報誌「ゼクシイ」の25周年を記念して、親族以外の観客にも配られ、会場中がピンクのリボンを振りながら、2人の門出を祝福した。
新郎新婦の両親は目に涙を浮かばせるシーンもあった。。娘の晴れ姿を見て涙を流す両親と、もらい泣きする新婦のやり取りには、感慨深かった。
新郎新婦も参列客も笑顔にあふれる、感動的な結婚式だった。
「結婚式×Rap」という新しい試みだったが、会場はまったく違和感なく楽しんでいた。KEN THE 390自身も、白シャツに蝶ネクタイという正装で本イベントに参加していて、会場からも「爽やかなラッパーさんですね」という声があった。結婚式というフォーマルな場に似合うラッパーは限られているかもしれないが、KEN THE 390はベストアクトだったと言えそうだ。
このような自由で形式ばらない結婚式を知ってもらうことで、「結婚式は大変で面倒なもの」というネガティブなイメージが払拭されるのではないかと思う。Rapが好きなら、誰でも人前式による結婚式でRapを取り入れることができる。これからは自分たちで作りあげていく、オンリーワンの結婚式がもっと増えていくのではないだろうか。
お色直しはデニム!のイマドキ結婚式
式の途中、新郎新婦のお色直しもあったが、フォーマルなドレスとタキシードから、デニムをミックスさせるカジュアルなスタイルで登場した2人。最近では新郎新婦や参列客のコーディネートも多様化していて、人前式のような形を取る時は、忌み色や忌み素材などなく、それぞれ自由なドレスコードで式に参列できる風潮だ。
国内最大級のウェディングフェスティバル「Tokyo Wedding Showcase」
「Tokyo Wedding Showcase」は、結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊25周年記念イベント「ゼクシィ 25周年“愛を、祝おう。”」の一環として行われたもの。Rap人前式のほか、注目のウェディングドレスショップによるドレスショーやトークショー、カップルで楽しめるワークショップや、式場・ドレスなどのブースが集結した。
梅雨に結婚式を挙げる2人は、「ジューンブライド」と呼ばれ幸せになるという言い伝えがあるが、この日の代々木公園は梅雨を感じさせない晴天で、会場は賑わいを見せていた。結婚も考えているのであろうカップルがドレスやリゾート婚のブースを見て回っていたり、ドライフラワーのブーケを作るワークショップブースでは、女性のグループが楽しそうに色とりどりの花を並べたりしていた。
Rap人前式は、国内最大級のウェディングフェスティバル「Tokyo Wedding Showcase」の企画のひとつとして実現した。
企画に関わった結婚情報誌「ゼクシィ」の平山編集長は、この企画について、「今、人々のライフスタイルや考え方が多様していることに合わせて、結婚式のスタイルもどんどん多様化しています。一昔前のような形式にしっかり則った結婚式はだんだん少なくなっていて、新郎新婦の考え方や好きなものに合わせて、人々もそれぞれ自由なスタイルで結婚式を楽しむようになってきています。人前式というものもそういった考え方の一つで、宗教的な成約に縛られない自由な挙式を挙げることができます。人前式では誓いの言葉も自由なのです。そこで、自由な言葉選びで魂を乗せるRAPで、人前式の誓いの言葉を自分たちで作る楽しさを知ってほしいと思い、今回こんな企画をさせていただきました」と、話していた。