髙田延彦が山本美憂を絶賛!「女KIDだ!」

「RIZIN.11」を振り返る髙田延彦RIZIN統括本部長

五味隆典の試合では「解説なんてやってる場合じゃなかった」
 RIZINの髙田延彦統括本部長が8月6日、元衆議院議員で弁護士の横粂勝仁氏との番組「髙田横粂の世相談義」(FRESH!で月曜21時〜不定期配信中)で「RIZIN.11」(7月29日開催)を振り返った。

 髙田氏はまず石岡沙織vs山本美憂の一戦に触れ、「別人。山本美憂が山本KIDになっていた。なんでこんな短期間でこんなに変われるの?ってくらいむちゃくちゃ強くなっていた。今回は見ていて怖かった。鬼気迫るものがあった。とにかく相手をぶっ潰してやろうという気持ちが見えた。何度も言うが女山本KIDに見えた。試合前にシャドーボクシングをしている後ろ姿を見て、“シャドーの仕方がないKIDに似てるな”って思った」などと山本の変貌ぶりに驚いたことを明かした。

 あの日、会場が一番盛り上がったといっても過言ではないのが五味隆典の試合だったのだが、髙田氏もそうだったようで「解説なんてやってる場合じゃなかった。ファンと一緒。解説席の全員が立って声を上げてしまうほど。ファンとして仲間として、元ファイターとしてのリスペクトもあった。いろいろな思いが渦巻いて、立たずにはいられない、叫ばずにはいられない。それから賛美せざるを得なかった。3回くらい“五味隆典~”って叫んじゃったよ。気づいたら声が出てた」と話した。試合については「相手のギラードが一瞬ひるんだシーンがあった。押されたというか、気持ちが負けたというか。五味がギラードの気持ちを折ったという瞬間があった」と解説した。

 また昨年大晦日の矢地祐介戦後の五味の「あと10試合はできない。でも3試合はできる」というコメントを引き合いに「もし9月大会に出て、大晦日ということになると五味の試合は年内が最後になるかもしれない」と話し、“W杯ロス”に続く“五味ロス”への懸念を示した。

 セミファイナルの堀口恭司vs扇久保博正戦については会場で観戦した横粂氏が「だんだん扇久保選手を応援する声が出て大きくなっていった」と指摘すると、「それは堀口選手が強すぎたから。誰もが堀口がKOで仕留めるというのが戦前の予想だった。ところが扇久保が素晴らしい勝負をした。無敵の堀口に世界中で勝てるのは扇久保しかいないんじゃないかという空気を自分で作り出していた。それがあの声援となって後押ししたんだと思う」と扇久保を称えた。

RIZIN9月大会の話でも盛り上がる2人

横粂氏は「RENA選手が女版ミルコ、浅倉選手は女版ヒョードル」
 メーンの浅倉カンナvsRENA戦については「研究し尽くされているのによく勝った。浅倉カンナは型を持っている。なんとかリベンジを果たそうと頑張ったRENAでさえ判定ではあったが退けたというのは、彼女の7カ月間の努力の賜物。20歳の成長力はすごい」と話した。

 一方で「RENAもものすごいレベルアップしていた。気持ちの入り方が前回とは全然違った。打倒浅倉に何が必要かということをやってきた。テイクダウンされてからのリカバリーも的確でうまかったし、タックルを切ることを相当やってきた。前回と違うのは積極的に得意な打撃を出して倒しに行っていたこと。判定まで持って行けたのは、今後のRENA選手の伸びしろに期待できるし、この気持ちを忘れずに自分を磨いていけば。またこの対戦の機会が訪れるかもしれない」と話した。

 RENAの休養宣言については「ゆっくり自分が納得いくまで休めばいい。でも自然発生的に“私、そろそろ試合がしたいです”という時が近い将来来るんじゃないですか。このまま辞める子ではないと思う」と話した。

 横粂氏の「RENA選手が勝つにはどうすれば?」という問いには「この前の試合の3〜4割増しで打撃を打ちまくる。分かりやすく言うと、この前の五味のような試合をする。あと矢地祐介とか全盛期のヴァンダレイのように休みなく、当たれば一発で相手が倒れる、そんな打撃をゴングが鳴った瞬間から打ち続ける。そして相手がタックルに来た時に倒されないトレーニングをする。倒された時にはしっかりリカバリーして立ち上がる。得意なスタンドに戻す、そういうスキルを身につける。そうすると相手は入りにくくなる、なかなか前に出てこなくなる。そうなるとペースはこっちのものとなる。ただもう1回やるとなると浅倉選手も打ち合っても負けない打撃を磨いて来る。そしてグラウンドに持ち込んだら必ず一本取れるようなものを身につける作業に入るのではないかと思う。そうなるとより高度な試合になる。2人の成長が楽しみ」とした。ここで横粂氏が「RENA選手が女版ミルコ、浅倉選手は女版ヒョードル」と思わず3度目の対決を期待したくなるような絶妙な例えを見せた。