「島旅」好きの聖地! 歴史と自然の神秘を満喫【海わたる隠岐の絶景旅行】
ときとして日本の“秘境”ともいわれるミステリアスなスポット、隠岐。4つの島を主とする隠岐諸島は、それぞれここにしかない歴史や自然体験ができる島旅ファンにはたまらない場所。世界ジオパークにも認定される神秘と絶景あふれる、隠岐の魅力を紹介!
写真:知夫村(知夫里島)にある赤ハゲ山からは隠岐諸島の島々を見渡すことができる。
日本最古の闘牛・隠岐牛突き〜 隠岐の島町
大小180の島々からなり4つの島を主とする隠岐諸島。隠岐世界ジオパーク空港がある隠岐の島町は島後(どうご)、西ノ島町・海士町・知夫村の3つの島は島前(どうぜん)と呼ばれている。一説には同じ島根県民ですら隠岐に行ったことがある人は半分もいないのではといわれる、まさに隠れ家スポット。隠れ家だけに、隠岐にはさまざまな“ミステリー”があふれているが、神社の数の多さもその一つ。玉若酢命神社や水若酢神社など国指定重要文化財の神社をはじめ、島後だけで70近い神社をめぐることができる。そんな“神の島”とあって隠岐では闘牛も神聖な神事。9月1日に八朔牛突き大会、10月13日に一夜嶽牛突き大会という大きな大会が行われる。隠岐の島町の隠岐モーモードームでは、特別に育てられた突き牛がぶつかり合うさまを見学できる観光牛突き観戦(写真左)を行っているほか(不定期開催・要問い合わせ)
そして隠岐の島町に来たら絶対挑戦したいのがローソク島の撮影。高さ約20メートルのローソクのような形の岩の先端に夕日が重なると、まるでローソクに火がともったような光景を遊覧船から見ることができる(写真右)。
隠岐の島々を見渡せる“展望島”〜 知夫村
海士町から内航船で4つのうち一番小さな島・知夫里島へ。ここは人口約600人に対し、牛が約600頭、たぬきが約2000匹いるというのどかな村。隠岐一番の展望スポット、赤ハゲ山は気軽なトレッキングコースとしてもおすすめ。山の頂上からは隠岐の島々をはじめ島根半島なども見渡すことができる。カルデラの外輪山が島々となった、壮大な景観を楽しもう。また、赤茶色の断崖が美しい赤壁(写真)も観光スポット。地上からは、切り立った崖と青い海のコントラストをスリリングな角度から眺めることができるほか、夕日に映える赤壁を眺める遊覧船もおすすめ。
また、島には牛が放牧状態になっており、牛たちがのんびり草をはむ姿があちこちに見られる。道路や遊歩道付近を歩いていることもあるので、放牧エリア内では牛たちを驚かさないように心がけよう。
“後鳥羽伝説”のロマンをめぐる〜 海士町
隠岐の島町の西郷港から鬼太郎フェリー(フェリーしらしま)で約1時間、島前エリアの海士町・菱浦港へ。海士町では、隠岐に島流しになった後鳥羽上皇を祭神とする隠岐神社(写真上)や、後鳥羽上皇に仕えたと言い伝えられている村上家資料館などで、島の人から“ごとばんさん”と親しまれた後鳥羽上皇の史跡をたどることができる。ちなみに隠岐神社では要予約で“夜の隠岐神社まいり”をすることが可能(詳細は海士町観光協会へ)。
また隠岐神社の境内には、レストラン・離島キッチンの海士店があり、10名からの団体予約でランチ・ディナーを用意。この日は、隠岐牛や蒸し物などと、4日前から仕込んだ料理の数々が詰められた直会御膳(写真下 2500円)を味わうことができた。
また海士町では、海中展望船あまんぼうに乗って、入り組んだ海岸線と奇岩の景色、そして豊かな隠岐の海中風景を見ることができる。
世界ジオパークの絶景で運試し〜 西ノ島町
西ノ島町では海からと陸から、両方で絶景を楽しむことをおすすめしたい。国賀めぐり定期観光船に乗れば、海蝕作用によって削られた断崖や奇岩が続く海岸線をめぐることができる。コースには、250メートルにおよぶ明暗の岩屋(あけくれのいわや)や、乙姫御殿(写真下)と呼ばれる天然の洞窟もあり、天候や海の条件が合ったときだけ、洞窟の中を船で通ることができる。くぐることができるのは3回に1度ほどの確率だとか。運試しとして挑戦してみては。
陸から眺める光景も雄大そのもの。断崖の上には青々とした放牧地が広がり、牛や馬がゆったりと暮らしている(写真上)。散策ルートを歩けば、波が作り出した岩のアーチ・通天橋などの撮影スポットを陸から眺めることができる。景観や自然環境、歴史や食文化…どれをとっても唯一無二の魅力にあふれる隠岐。海を渡り島々をめぐる旅に出よう。