【インタビュー】岩田剛典×杉咲花 映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』で“パーフェクト”な共演!

撮影・蔦野裕 [岩田剛典]ヘアメイク・下川真矢/スタイリスト・jumbo(speedwheels)[杉咲花]ヘアメイク・奥平正芳/スタイリスト・梅山弘子(KiKi)
 一方、杉咲が本作に引かれた理由は、樹をありのままに受け止めて恋をするつぐみの姿だった。

杉咲「つぐみは、車イス生活を送る樹に対して、樹がそういう状況であることを理由に悩むことがない。私はそこがすごく好きだったんです。そんなことよりも一心に樹が好きだから一緒にいたい。そういう彼女の思いが好きでした」

岩田「うん、分かる」

 原作の名場面を、この2人が鮮烈に体現するシーンの数々は必見。

岩田「デートシーンの江の島ロケなどでも漫画で描かれているとおりの立ち位置で撮ったりしているんです。もちろん漫画と映画は別個の作品になりますけど、原作ファンにも愛してもらえる作品になるようスタッフも自分たちも意識していました。1シーン1シーンへのこだわりは、演じている僕らのモチベーションもすごく高まりますね。僕の場合は車イスバスケのシーンのために、実際に競技選手のチームに交じって体験させていただいたりもしました。練習する日を頂いたんですけれど最初はけっこうドリブルしながら進むのが難しくて。そこそこできるようになるまで1日かかりました。チームの皆さんと試合前のウオーミングアップのメニューを全部こなしたり、ミニゲームでプレー体験もさせていただいて、撮影に支障がないくらいには動けるようになりました」

 さまざまなことに気づかせてくれる樹とつぐみの恋。2人が本作から得たものとは。

岩田「障がいのある方々への自分の意識が変わったことが一つ大きなところかなと思います。街中でも見かけた時もサポートが必要そうだったらまずはお声がけしてみようと思ったり、パラリンピックなどのスポーツで頑張る選手の思いをもっと感じたいと思うようになりました」

杉咲「私は本作を通して、人は1人では生きられないこと、映画は1人では作れないことを改めて感じました。共演者やスタッフ、本作に関わってくださったすべての方、皆さん全員が良い作品を作りたいと思ったからこそできた映画だと思います。何より、岩田さんに本当に助けていただきました。ハードなスケジュールの中、ご自分もきついはずなのにいつも大丈夫?と声をかけてくださって。私にはもう岩田さんが樹にしか見えなくて。樹を演じたのが岩田さんだったからこそ、私も最後までつぐみを演じ切ることができたと思ってます」

岩田「全部そうだよね。どのシーンも、つぐみが杉咲さんだったからこそ描けたと思います」

 相手役として互いにパーフェクトだった2人。そんな2人が最近感じた“パーフェクトな瞬間”は?

岩田「最近、焼き肉屋で食べたシメの冷麺がマジ、パーフェクトでした。それまでの肉の油っこさをうち消して、さっぱりした気分で店を出るという…完璧ですよね(笑)」

杉咲「いいですね! 私も食べ物なんですけど…韓国の大食いユーチューバーの人の動画を見て自分も食べたくなって、トッポギとヤンニョムチキンを作ったんです。すっごくおいしく、パーフェクトにできました(笑)!」

 最後に本作を楽しみにしている読者にメッセージを。

岩田「この作品には、障がいと向き合う一つの生き方が描かれています。本作を通して、もし自分や身近な人だったら自分はどう行動するだろうかと少
10.
しでも想像してもらえるような映画になっていたらいいなと思います。重すぎず、真摯にそういう部分を伝えることができたら最高ですね」

杉咲「どんなことがあっても大切な相手を思い続ける…つぐみはそれだけで進んでいる人で、私にはそれがすごく輝いて見えました。そんなつぐみの姿から、大切なことを気づかせてもらえる作品になっているのではないかなと思います」
(本紙・秋吉布由子)