生と死と裸【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第15回】
もう2週間前のことになりますが、8月31日~9月2日に、劇団Rexy第6.5回公演「禁断の果実」が開催されました。
そもそも6.5回ってなんぞ?という感じかもしれませんが、今回は朗読劇の形式での作品だったため、本公演とは違った位置づけでの公演となっています。
朗読劇といっても、Rexyがやるからには、ただ読むだけでは終わりません。
劇団Rexyについては、このコラムでも過去に取り上げたので、記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんが、女性向けAVの出演者を中心に立ち上げられた劇団です。
これまで6回本公演を行ってきましたが、コメディ、時代劇、BL原作など、さまざまなタイプの作品を扱ってきました。
共通点は、劇中に脱ぐシーンがあること。(もちろん法律で認められている範疇で!)
特に前回前々回の「風呂ダンサーズ」は、客演のメンバーも含め全員で文字通り裸一貫でのパフォーマンスを見せ、Rexyの代表的な作品となっています。
今回の朗読劇「禁断の果実」は、ひとつの部屋に集められた4人の死刑囚たちの物語。
刑務所を出られるという条件につられた4人だが、部屋の中には林檎と、手紙があるだけ。
部屋の中にあった林檎をかじると、男たちは次々と服を脱ぐ。
すると、部屋の鍵があき次の部屋へ。
しかし、次も同じような部屋……「部屋を出たければ協力して読め」という手紙の指示に従い、4人は不思議な物語を朗読し始める……。
朗読劇といえども、動きのあるシーンも多く、会場はいつものRexyらしく笑いと熱気につつまれました。
いつもは明るいコメディが多いRexyですが、今回は生と死を連想させるダークな物語。
死刑囚が自分の罪を振り返り、これからの人生どういう心持で生きていくかということ描いているのですが、私には自殺に向かう人間の作品に見えました。
何らかの原因で死を選んだ4人が、これまでの人生を振り返り、自分がどのように生きていくか、これからどうやって生きていくか(あるいは、生きることを諦めるのか)。
登場人物それぞれが向き合うことになる“ありのままの自分の姿”を、服を脱いだ状態で表現したのでは、と。
(あくまで個人的な見解です。)
また、今回は観客参加型で4種類のマルチエンディングになっていました。
観客は彼らの舞台の上での生き様を見て、エンディングの手前で審判の時間を設けられます。
演じるほうも、見るほうも、精神的に大きなプレッシャーがかかる舞台だったのではないでしょうか。
公演後はツーショットチェキの撮影もあり、いつものイベントのような側面もあったのですが、参加された皆さんは、もしかしたらいつもと違う気持ちで撮影されていたかもしれませんね。
というわけで、次回の劇団Rexy本公演は、11月を予定しています。
今度はどんな笑いが、涙があるのでしょうか?
とりあえず、裸があることだけは確定でしょう!(笑)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。