タイトル戦消滅の城戸康裕がスーパーファイトで参戦【11・3 K-1】

11月大会への出場が決まった城戸(©M-1 Sports Media)

城戸はぼやきながらも「K’FESTA.2」でのタイトル戦に意欲
「K-1 WORLD GP」(11月3日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)の第2弾カード発表会見が9月18日、東京都内で開催。新たに4つのカードが発表された。

 当初、王者・久保優太へ城戸康裕が挑戦するウェルター級タイトルマッチが内定していたのだが、久保が8月下旬に交通事故に遭いドクターストップがかかったため、城戸はスーパーファイトに出場。パプアニューギニア出身のジョナサン・トゥフとの対戦することとなった。

 トゥフは2013年にWKFインターコンチネンタル王座を獲得し、今年のWMC I-1世界ムエタイ王座決定トーナメントでは準優勝。また2014年には身長差・体格差のある対戦相手を飛び回し蹴りで立ったまま失神させ、そのKOシーンが世界中で話題となった。

 トゥフは主催者を通じて「パプアニューギニア出身のファイターとして、昔から夢見ていたK-1のリングに立てることに興奮している。日本のファンには俺のスピード感と爆発力を感じてほしい。俺の豪快なKOで日本のファンに興奮を届ける。城戸は経験豊富な選手だが、俺は城戸を完全に破壊する」とコメントした。

 城戸はこの日、蜂窩織炎になった左足を引きずりながら会見に登場。

「まずは久保くんとタイトルマッチができなくて残念ですよね。そういう気持ちがデカいです。それに左足が蜂窩織炎になって、めっちゃ痛いし。事前に相手に左を蹴らないと言って(お互いに)左の蹴りなしでやりたい…」と苦笑い。

 そして「今回、対戦相手が『バキバキの黒人』と言われて、送られてきた写真を見たらバキバキの黒人で“そのまんまじゃねえか!”ってことでビビってます(苦笑)。試合映像を見ても飛び回る系の感じだし、昆虫のような素早さがあって、得意じゃないというか、早く帰りたいというか…そんな感じです」と続けた。

 タイトルマッチが流れたことについては「久保くんも被害者みたいなものなんで言ってもしょうがないかなと思うんですけど。僕も久保くんもタイトルマッチを期待していて、8月のKrush名古屋大会で久保くんと一緒になった時には“タイトルマッチやりましょう!”と話していた矢先のことだった」としつつ「これはもう久保くんに次の煽りVTRには絶対に出てもらわないといけないと思う」と異例の久保への煽りVTR出演オファーを示唆した。

 今大会でのタイトルマッチが流れたことで、「K’FESTA.2」(2019年3月10日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ)でタイトルマッチが行われる可能性が出てきたことも確かで、そのことについて聞かれると「もしかしたらデカいところでタイトルマッチをやるために(11月は)こうなったのかなって感じですよね。『K’FESTA.2』でタイトルマッチができたらいいなと思います」と少しだけ笑顔をのぞかせた。

王者としての初陣に臨む村越(©M-1 Sports Media)

村越優汰「勝つのは当たり前。どう勝つか、どう倒すか」
 6月のK-1さいたま大会でワンデートーナメントを制し、第2代K-1フェザー級王者となった村越優汰の王者としての初陣が決定。スペインのアレックス・リーバスとスーパーファイトで対戦する。

 リーバスは村越がトーナメント準決勝で対戦したジョージ・バレラと同門のファイターで、17歳にしてプロ戦績19戦17勝(8KO) 2敗を誇る実力者。主催者を通じて「K-1出場という夢が叶って胸がいっぱいだ。それと同時に今までにない気持ちの高ぶりも感じている。自分はまだ17歳だが、自分ほど完成された10代のファイターは過去にもいないと思う。俺を甘く見ていたら痛い目を見るだろう。俺はK-1ファンに世界一の試合を見せる」とコメントした。

 村越は「今回も対戦相手がイケメンな選手で、顔では負けちゃいそうなんで結果で実力を見せたいと思います。リーバス選手は若くていい選手という印象で、全然油断はしていません。今回はチャンピオンになって一発目の試合で、自分にとってはすごく大事な試合。勝つのは当たり前なんですけど、どう勝つか、どう倒すかをみなさんに見ていただけたらと思います。6月のトーナメントではダウンもしてしまって、自分的には強さを見せられなかった感じがあった。今回はK-1のチャンピオンとして一発目の試合で『K-1チャンピオンは強い』とみんなに思ってもらえる試合、村越がチャンピオンになるべきだったんだなと思われる試合をしたい」と話し、「来年3月10日の大きい舞台で防衛戦をやって、挑戦者をぶっ倒したい」と「K’FESTA.2」での防衛戦開催をアピールした。

 そのフェザー級では9月大会で小澤海斗vs芦澤竜誠の試合が行われる。両者の舌戦が大きな盛り上がりを見せているが、この試合について村越は「盛り上がっている印象がある」としながらも「選手としては僕とレベルが違う。実力的なところでは意識していない」と話した。

江川(左)と覇家斗(©M-1 Sports Media)

フェザー級では江川優生vs覇家斗の日本人対決
 また今大会ではフェザー級のスーパーファイトとして江川優生vs覇家斗の日本人対決が行われる。

 江川は6月の第2代K-1フェザー級王座決定トーナメント・リザーブファイトで大滝裕太にKO勝利して以来の参戦。対する覇家斗は過去に現Krush王者の島野浩太朗に勝利し、今年3月の「K’FESTA.1」では闘士に1RKO勝利するなど、スーパー・フェザー級戦線で活躍してきたが、今大会から階級を下げてフェザー級に戦いの場を移すことになった。

 会見で江川は「前回はトーナメントのリザーブファイトに出て本戦に出場できなかったので、本戦に出た日本人の選手たちにたどり着けるように今回も勝って次につなげたい。もし自分が本戦に出ていたら勝てたんじゃねえか?って気持ちもある。小澤選手と芦澤選手の試合は小澤選手に勝ってほしいと思います。僕が言うのもあれですけど、小澤選手はスターになれると思うし、K-1を引っ張っていけるんじゃないかという気持ちもあるので。村越選手は自分でもたどり着けない壁じゃないと思っているので、村越選手にたどりつけるように頑張ります」などと話した。

 一方の覇家斗は「今回がフェザー級の初陣で、僕は覚悟を持って転向を決めました。チャンピオンになるためにフェザー級に来たので、誰が相手だろうと目の前の相手を倒して、夢を実現させるためにやっていきます。記者会見の個性では他の選手に負けちゃいますけど、試合になったらアグレッシブさ、気持ちの強さ、フィジカルの強さを生かしていこうと思っています。スピードも磨いているので、そういうところを見てもらえればいいと思います」などと話した。

K-1再登場のKANA(©M-1 Sports Media)

KANAは女子王座&トーナメント開催をアピール
 今大会では第4代Krush女子フライ級王者KANAが2度目のK-1参戦を果たし、スウェーデン出身のムエタイ王者ヨセフィン・ノットソンと対戦する。ヨセフィンは幼少期から空手・ムエタイ・キックボクシングを学び、アマチュアムエタイの大会では世界を股にかけて活躍。パンチと蹴りをバランスよく繰り出す好戦的なムエタイスタイルのファイター。

 KANAは「今回2度目のK-1参戦になりました。ヨセフィン選手はファイトスタイル的にもガンガン来てくれてKO率が高いので噛み合うんじゃないかなと思います。3月の『K’FESTA.1』ではKOできなかったので、今回の大きな目標として倒して勝ちたいと思います」と話した。

 そして「自分以外は全員外国人選手でもいいのでK-1で世界トーナメントをやりたい。今回もそのための一つのスーパーファイトとして、そこに弾みをつけるような最高の勝ちで次につなげたいと思います。自分が思い描く勝ち方で、来年、K-1で世界トーナメントを実現させたいです」と女子王座&トーナメント開催をアピールした。