子供が好きではない【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第16回】

 今週末、友人の家に遊びにいくことになってしまいました。

 同い年の友人3名と会うのですが、私以外の3人は既婚者子持ち(ひとりは妊娠中)。

 うーん、これは絶対に、話があう気がしない。

 とはいえ、十年来の友達なので、絶対に行きたくない!とかではなく(会うこと自体は楽しみです)、ただ単純に「違う価値観の中に生きていそうだなぁ」というだけなのですが。

 今年なぜか私のまわりは妊娠出産ラッシュです。

 数えてみたら、9人、その半分が第二子だったので、まあ世代的には納得です。

 こういうことを言うと人でなしのように思われるかもしれませんが、私は子供が嫌いです。

 申し訳ないけど、友達の子供を見ても無条件にかわいいと思ったことはありません。

 友達が産んだ子供だから大事にしたいという気持ちはあれども、子供それ自体を見て「かわいい~」と言えるまわりの人たちを見ていると、ああ、私はその感情が欠落しているんだな、と実感します。

 もしかしたら、子育て中の女性が反感を持つ、「育児をしない男性」の心理のほうが近いかもしれません。

 とはいえ、そんな自分に対して、自分自身を悲しいとか残念とか思うわけでもなく、私は一般的な価値観とはなんだかずれているようだな、と思うだけなのですが。

 子供を可愛いとは思わないし、だからこそ子供が欲しいとも思わなくなりました。

 幸い、仕事では名前(本名だし)や顔を出してやっているだけに、子供への説明や責任を考えなくて済むし、体を使う趣味(ダンス)もあるので、妊娠や出産でお休みしなくてもいいというのは、自分にとっては好都合です。

 今でこそ、自分は産まなくてもいい、という気持ちになっていますが、以前は男性上司から手厳しく指摘されていたことがありました。

「女に生まれたのだから、子供を産んで家族の幸せを知ったほうがいい」
「子供がいないお前は半人前だ、そんな人間の話は聞かない」

 当時はこういったことを言われて、子供がいない私は上司を満足させる仕事は一生できないかもしれない、ということを悩み心を病んでしまっていました。

 仕事もできない、私生活でも結婚や出産という慶事から離れている、公私ともに落ちこぼれだなと自分で自分を追い詰め、焦っていました。

(今でこそ、ずいぶんと暴力的な発言をされていたものだなあと思うのですが……)

 そんなことを毎週のように言われていた時期を経て、今では自分自身には向いていないということもあって、結婚、妊娠、出産は興味がない、と思っています。

 前に、「この仕事についてからどんなひどいセクハラを受けたか、思い出せない」というような記事を書いたものの、最近になってこのエピソードを思い出してしまいました(笑)。

 自分で自分が悪いと思い込んでいたのかもしれませんね。

 そう思わないとつらくて自分を保てなかったので。

 結婚すること、出産すること、家族を持つことが当然の幸せだという常識が、早く崩れればいいのに。

田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。