卓球/森薗美咲&森薗政崇・血のつながり【プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

撮影/文章:西村尚己 (2018年8月29日 第18回アジア競技大会 卓球 混合ダブルス 3回戦)

2018アジア大会の卓球・混合ダブルス。
思いがけず、貴重な光景に出会うことができた。

森薗美咲選手と森薗政崇選手の姉弟ペアだ。
3歳違いの姉と弟。

当初はペアを組む予定になかったが、
現地(ジャカルタ)入り後、都合により急遽、姉弟による即席ペアが実現することになった。

さらに驚いたことに、二人がペアを組むのは今回が初めてなのだという。

試合中の二人は、心なしか言葉や視線を交わす場面がとても少ないように見えた。
しかし、それが逆に姉弟ペアの絆の強さを物語っているように思えた。

そしてメンタル面では年上の姉が、プレー面では強打の弟が、
それぞれリードしながら力を合わせて戦う姿は、とても微笑ましく思えた。

頑張れ、森薗姉弟!

私は思わず心の中でそう叫んだ。

血のつながり。
偶然目の前にあった真っ赤なフェンスを構図一杯に取り込みながら二人の瞬間を狙った。

■カメラマンプロフィル
撮影:西村尚己

1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも、どうしてもプロの世界で挑戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか

アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している

■アフロスポーツHP

Photographer


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