ごちそう感が半端ない、油淋鶏【午前0時に揚げてみた】

第8回 第8回 ごちそう感が半端ない、油淋鶏(ユーリンチー)

 今回、料理研究家グー先生が教えてくれるのは、カリッと揚げた鶏肉に甘酸っぱいたれと香味野菜をたっぷりかける「油淋鶏」。鶏肉を大きな1枚のまま少ない油で揚げる、“油まわしかけテク”に注目です。たれはポン酢にちょい足しするだけなので簡単!

材料(1〜2人分)
鶏もも肉 1〜2枚
<下味>
 塩、こしょう 各少々
しょうゆ 大さじ1/2
 酒(紹興酒でも) 大さじ1/2
片栗粉 適量
<たれ>
長ねぎのみじん切り 10cm分
おろししょうが 大さじ1
香菜のみじん切り 2〜3本分
ポン酢しょうゆ 大さじ3と1/2
(しょうゆ大さじ1と1/2、酢大さじ2で代用しても)
砂糖 大さじ2
ごま油 大さじ1
揚げ油 適量

【作り方】

1)鶏肉に切れ目を入れて、厚みを均等にする
鶏肉の余分な脂は取り除く。1.5cm幅の切れ目を格子状に入れる。

<ポイント>
「鶏もも肉を1枚そのまま揚げるので、均等に火を通るように切れ目を入れて平らにします。鶏肉の余分な脂は取り除いたほうが、油ハネしにくく早くカリッと揚がります。面倒ならついたままでもOK」

2)鶏肉に下味をつける
バットに皮目を下にして鶏肉を並べ、身のほうだけに塩、こしょうをふる。しょうゆと酒を合わせてふりかけ、全体に軽くなじませて10〜20分おく。

<ポイント>
「下味は手でもみ込むと身が崩れてしまうので、そのままおいて味を染み込ませましょう」

3)<たれ>の材料を混ぜ合わせる

4)鶏肉に片栗粉をまぶす
2)の鶏肉の汁気を軽くきって、片栗粉を全体にまぶす。カリッとさせたい皮目はしっかりと、身の方は軽くまぶせばよい。

<ポイント>
「ラップを30cmほど広げて片栗粉をふり、鶏肉の皮目を下にしてのせ、ゆらゆら動かすとしっかりつきます。粉をまぶしてから1〜2分おいてから揚げましょう。粉がなじんで揚げ油の中に入れたときに粉が飛び散りません」

5)高温の揚げ油に入れて、油をかけながら揚げる
フライパンに深さ2cmまで揚げ油を入れる。中火で熱して170℃前後の中温になったら4)の鶏肉の皮目を下にして入れる。玉じゃくしや大きなスプーン(手元が熱くならないもの)で油を肉の表面にかけながら揚げる。皮がカリッとしてきたら上下を返し、油を皮にかけながら揚げる。身の方にも軽く焼き色がついたら網に取り出す。

6)鶏肉を切り分け、たれをかける
5)の鶏肉を1〜2分おいて肉汁を落ち着かせてから、食べやすい大きさに切る。器に盛りつけ3)のたれをかける。

 しっかり揚げた皮はパリパリッ、肉はしっとりジューシー。もも肉1枚ごと揚げているので、から揚げと比べて肉々しさが味わえます!見た目も味もお店のレベル。香味野菜のポン酢たれはいろんな料理にも使えそうです。

【揚げ物大好き!編集部員がやってみた】
「私…油淋鶏の事、何も分かってなかった…。一口食べた時、心底そう思いました。から揚げにパクチーの入ったポン酢をかけた感じのもの…ぐらいの認識でしたが、まったく別ものでした! 揚げ焼きのような調理方法なのに、こんなにも鶏肉がふっくらとするなんて…。しかも皮はパリパリでめちゃウマ。揚げ物テク、ワンランクアップしたようです」
第1回『揚げもの基本のキ』

【監修】林幸子先生

料理研究家。東京・表参道の料理教室「アトリエ・グー」主宰。愛称は“グー先生”。
兵庫県出身。大手食品会社で料理開発に携わったのち、独立。料理研究家として30年以上のキャリアをもつ。栄養士、フード・コーディネーター、江戸ソバリエ・ルシック、日本茶アドバイザー、雑穀エキスパート。実生活にそったむだのないレシピが好評で、基本の料理からアイデアあふれるオリジナル料理まで得意分野は幅広い。NHK「ガッテン!」などのテレビや雑誌、書籍等でも活躍。レシピ本の著書も多数出版しているほか、台所仕事のかしこい時短テク満載の『料理研究家がうちでやっているラクして楽しむ台所術』も好評発売中。
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