二ツ目さん数珠つなぎ【第2回】 春風亭昇也「お客さんとは“一語一会”。今日しかできない落語を見せる」


 師匠のスピリットを受け継ぎ『一語一会』でお客さんに笑いを届ける

「僕は軽いです(笑)。フワッとして後には何も残らないので、気楽に聞けます(笑)。ただ、いつも僕とお客さんは『一語一会(いちごいちえ)』だと思っています。同じネタをやっても、毎回違います。今日のお客さんとの間でしか、今日の落語はできないんです。ですから、その時その時、ギャグを変えたり、中身を変えたり、設定を変えたり、間を変えたり。その日のお客さんの反応を見て、毎回何かしら変化をつけるようにしています。ですから、僕を追いかけてくれると、同じ落語でもいろいろなパターンが楽しめます(笑)。それこそ登場人物が全部変わって落語家になっていたり。そうかと思えば、おじいちゃん、おばあちゃんの間ではきっちりと古典をやる器用さもありますし(笑)。落語を好きになる早道は好きな落語家を見つける事。そうすると、あの人の別の噺を聞いてみたいと思って、そこからどんどん間口が広がっていきます。そういう意味でも、“成金”にはいろいろなタイプの二ツ目がいますし、何と言っても面白い。真打になる前に青田買いもできますし、ぜひ足を運んでいただきたいですね。僕は声や話し方がすごく聞きやすいと評判で、初心者にもとっても優しい落語家です。落語初挑戦で、元気な二ツ目を見るなら、僕、昇也がおススメですよ(笑)」