パックン、アメリカ大統領の“浮気の歴史”を語る「なぜか今の大統領は無傷」



 映画『フロントランナー』来日記者会見が21日、都内にて行われ、主演のヒュー・ジャックマンの登壇前に、お笑いコンビ・パックンマックンのパックンことパトリック・ハーランが登場。映画の題材となったゲイリー・ハートとの“縁”を語った。

 1988年の米国大統領選でコロラド州から出馬し、民主党の大統領最有力候補とうたわれたゲイリー・ハートが、1つのスキャンダルの報道により転落していく3週間を描くサスペンスドラマ。



「1987年コロラド州に、頭も切れ、カッコよくて、世界を変えたいと思っている男がいた…それはこの僕です」と笑いを取ったパックン。18歳当時、地元から出馬したハートを応援していたと明かし「当時、僕だけじゃなく多くの若者が彼を応援していたんですが、彼の夢、彼に託した若者の夢は一夜にして消えてしまった。今だにそのガッカリした思いを引きずっている」と語り、ハートが浮気疑惑で退陣したことについて「大変複雑な気持ち。正直言って、アメリカの大統領になるような人は、みんな浮気してるんですよ。ジェファーソンも奴隷の女性との間に隠し子がいたし、ハーディング、クリーブランド、ルーズベルト、みんな女性の愛人がいた。アンドリュー・ジャクソンは男性の愛人がいた。ケネディ大統領はマリリン・モンローとのことは有名ですが、他にもフランク・シナトラから紹介された数々の女性と不適切な関係を持っていた」と歴代大統領のエピソードを披露。そして「200年間も(メディアがそれを不問にする)紳士協定のようなものがあったんですが、なぜかゲイリー・ハートのときにそれが失われ、彼は地に落ちた訳です。でもその後、ビル・クリントンの浮気が発覚して大問題になったけど生き残ったし、今は浮気どころか複数の女性からセクハラを訴えられている大統領だけど、ほとんど無傷。なぜゲイリー・ハートだけが貧乏くじを引いたのか」といぶかしんで報道陣の笑いを取りつつ「もちろん、やっていいことと悪いことの区別をしなくていいというわけではない。メディアと政治家の関係はどこで線を引くべきなのか、いまだにその課題は続いていると思います」と論じた。
 映画『フロントランナー』は2月1日より全国公開。