福島県白河市から生まれた“七転び八起き”ヒーロー、ダルライザー見参!
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誰かを笑顔にすることができたら、それはヒーローの証
日本におけるケイシの第一人者となった和知だが、自分は強くもヒーローでもない、と言う。
「この映画で伝えたいことが、まさにそれなんです。今、地方はどこも同じような問題を抱えていると思います。自分の地元を何とかしたいなら、自分たちが頑張らないといけないんです。今回の全国公開を機に、地方の一般市民がこんな映画を作ることができるということを多くの人に知ってもらいたい。あの人たちだからできたんだ、ではなく自分たちにもできるかもしれない、もしかしたらすでに誰かのヒーローかもしれない、という部分に目を向けてほしい。このタイトルに込めた“ライズ”=立ち上がれ、というメッセージが伝わって、地方創生の1つのモデルになれればうれしいです。今回、ほとんどのキャストは白河市民で、アクションシーンもプロのスタントは入れなかった。フスト先生も本気か?って驚いていましたけど(笑)、プロだって最初は素人だったはず、ごく普通の市民がその最初に挑戦しているんですと言ったら、確かにクリストファー・ノーランも最初はショートフィルムから始めたからな、と納得してくれて。本作は、地方の可能性、市民の可能性を伝えるための映画でもあると思っています」
初めてダルライザーとなった日のことを和知は今でも覚えている。
「2008年市のイベントで初めてスーツを着て参加し、名前募集のチラシを配ったんです。そのとき、幼い3兄弟が近寄ってきたんです。小学生くらいのお兄ちゃんと5歳くらいの弟、ベビーカーに乗ってる赤ちゃんだったんですけど。お兄ちゃんが“すみません、握手してください”と言うのでうなずくと、弟の手を引っ張って僕に差し出したんです。で握手したら“この子もいいですか”とベビーカーカーを向け、最後に“僕ともいいですか”って。握手し終わってそのままベビーカーを押して帰るのかと思ったら、お兄ちゃんが “あ、そうだ!”と振り返り“ありがとうございました”お辞儀したんです。僕はすごく感動してしまって。彼こそヒーローだと思いました。僕は、講演を行わせていただくこともあるんですが、いつも“誰かを笑顔にすることができたらそれがヒーローだ”とお伝えしています。この映画を見た方も、自分も誰かのヒーローなのかも、という可能性に目を向けてくれたらうれしいです。」
人々がヒーローを求めるのは、自分の中のヒーローを探すためなのかも。それを見つけるまで何度転んだっていい、そう思わせてくれるヒーローが日本中を熱くする!
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)