2月25日(日本時間)にはアメリカ最大の映画の祭典・第91回アカデミー賞授賞式が、3月1日には第42回日本アカデミー賞授賞式が行われ、その年を代表する映画作品の数々が表彰された。日本とアメリカ、それぞれの受賞傾向や部門の違いなどを比較して楽しみつつ、受賞・ノミネート作品の中にはBD・DVDリリースされているもの、劇場公開中や今後公開を控えているものも多いので、ぜひ自分で鑑賞してみよう。
https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a1_97878872.jpg 1000w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a1_97878872-600x398.jpg 600w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a1_97878872-768x510.jpg 768w" sizes="(max-width: 1000px) 100vw, 1000px" />最高賞となる作品賞を受賞した『グリーンブック』のピーター・ファレリー監督とチームら(写真:AP/アフロ)
米国アカデミー賞は“協調”と“多様性”に注目
アメリカでは、世界最大規模の映画の祭典、第91回アカデミー賞授賞式が日本時間25日、ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催。今年は日本人監督作2作品のノミネートが日本でも話題に。授賞式前のレッドカーペットには、外国語映画賞にノミネートされた『万引き家族』の是枝裕和監督と、長編アニメ映画賞にノミネートされていた『未来のミライ』の細田守監督も登場。是枝監督は同じく外国語映画賞にノミネートされている『ROMA/ローマ』の「アルフォンソ・キュアロン監督とはパネルディスカッションを行うことができた。もっと時間があったら監督同士で突っ込んだ話をしたい」、細田監督は「シンポジウムで他のアニメーション監督とも話すことができた。ノミニー同士で称え合うのがアカデミー賞の素晴らしいところ」と他の映画人との交流も楽しんだ様子。華やかなレッドカーペットを終え、いよいよ授賞式がスタート。
https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a2_97858160.jpg 1000w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a2_97858160-600x410.jpg 600w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a2_97858160-768x525.jpg 768w" sizes="(max-width: 1000px) 100vw, 1000px" />『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ&メアリー夫婦役で共演し、実生活でも熱愛を公表しているラミ・マレックとルーシー・ボイントン(写真:AP/アフロ)
オープニングアクトを飾ったのは『ボヘミアン・ラプソディ』が日本でも大ヒットしたクイーンと人気歌手アダム・ランバートによるメドレー。これにはハリウッドの映画人たちも冒頭から大興奮。その後も、『アリー/スター誕生』で共演したブラッドリー・クーパーとレディー・ガガが劇中曲を生披露するなど、パフォーマンスをはさみつつ賞の発表が行われて行った。外国語映画賞はアルフォンソ・キュアロン監督のネットフリックス作品『ROMA/ローマ』が、長編アニメ映画賞は『スパイダーマン:スパイダーバース』(公開中)が受賞し、惜しくも日本勢のオスカー獲得はならず。
https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a3_97859361.jpg 1000w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a3_97859361-600x415.jpg 600w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a3_97859361-768x531.jpg 768w" sizes="(max-width: 1000px) 100vw, 1000px" />オープニングアクトを飾ったのはクイーン&アダム・ランバート。『We Will Rock You』と『We Are The Champions』をメドレーで熱唱。会場の映画人たちも大熱狂(写真:ロイター/アフロ)
脚色賞で念願のオスカー獲得となった『ブラック・クランズマン』(3月22日公開)のスパイク・リー(2015年に功労賞は受賞済み)は興奮の面持ちで「今日はブラックヒストリーにとって重要な日。まもなく大統領選。愛か憎しみか正しい選択をしなければいけない」とスピーチ。会場をややざわつかせながらも祝福の拍手を送られた。助演女優賞は黒人に対する差別という困難に立ち向かう恋人たちの姿を描いた『ビール・ストリートの恋人たち』(公開中)のレジーナ・キング、助演男優賞は黒人差別が公然と行われていた1960年代を舞台にした『グリーンブック』(公開中)で、粗野で無教養なイタリア男を用心棒に、差別の根強い南部を目指して旅をする天才黒人ピアニストを演じたマハーシャラ・アリが受賞。主演女優賞は『女王陛下のお気に入り』(公開中)のオリヴィア・コールマンが、主演男優賞は『ボヘミアン・ラプソディ』(公開中)のラミ・マレックが受賞。監督賞は『ROMA/ローマ』、作品賞は『グリーンブック』が受賞。
https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a4_97873355.jpg 1000w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a4_97873355-600x400.jpg 600w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a4_97873355-768x512.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1000px) 100vw, 1000px" />『アリー/スター誕生』で共演したブラッドリー・クーパーとレディー・ガガが劇中の登場人物さながらのパフォーマンスで切なくも美しいバラードをデュエット(写真:ロイター/アフロ)
新たに司会を務めるはずだったケビン・ハートが過去の差別ツイート発覚により司会を辞退したことで今年も司会者不在での開催となったが進行に滞りなし。人気映画部門の新設案や技術系の4部門の放送短縮案が持ち上がっては見送られるなど、懸念要素もありつつ多彩な作品にスポットライトが当たり“祭り”感も満点。「多様性」がカギとなる作品が受賞する傾向が例年以上に高まった。
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https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a6_97888061.jpg 1000w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a6_97888061-600x398.jpg 600w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a6_97888061-768x510.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1000px) 100vw, 1000px" />写真左から主演男優賞のラミ・マレック、主演女優賞のオリヴィア・コールマン、助演女優賞のレジーナ・キング、助演男優賞のマハーシャラ・アリ(写真:AFP/アフロ)
https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a7_97880061.jpg 1000w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a7_97880061-600x435.jpg 600w, https://thl.uh-oh.jp/wp-content/uploads/a7_97880061-768x557.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1000px) 100vw, 1000px" />監督賞、外国語映画賞、撮影賞の3つのオスカー像を握りしめるアルフォンソ・キュアロン監督(写真:AFP/アフロ)
【第91回アカデミー賞 受賞結果】
短編アニメ映画賞:『Bao』
短編実写映画賞:『スキン(原題)』
短編ドキュメンタリー賞:『ピリオド・エンド・オブ・センテンス(原題)』
長編ドキュメンタリー賞:『フリー・ソロ(原題)』
長編アニメ映画賞:『スパイダーマン:スパイダーバース』
視覚効果賞:『ファースト・マン』
音響編集賞:『ボヘミアン・ラプソディ』
録音賞:『ボヘミアン・ラプソディ』
歌曲賞:『アリー/スター誕生』「シャロウ 〜『アリー/スター誕生』愛のうた」
作曲賞:『ブラックパンサー』
メイク・ヘアスタイリング賞:『バイス』
衣装デザイン賞:『ブラックパンサー』
美術賞:『ブラックパンサー』
編集賞:『ボヘミアン・ラプソディ』
撮影賞:『ROMA/ローマ』
脚色賞:『ブラック・クランズマン』(スパイク・リー、チャーリー・ワクテル、デイビッド・ラビノウィッツ、ケヴィン・ウィルモット)
脚本賞:『グリーンブック』(ニック・ヴァレロンガ、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー)
外国語映画賞:『ROMA/ローマ』(メキシコ)
助演女優賞:レジーナ・キング(『ビール・ストリートの恋人たち』)
助演男優賞:マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』)
主演女優賞:オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』)
主演男優賞:ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)
監督賞:アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)
作品賞:『グリーンブック』(ピーター・ファレリー監督)