別所哲也「地縁、血縁から“ネット縁”でつながる時代へ」【BEYOND 2020 NEXT FORUM】
—大きな変化が押し寄せる時代。別所さんが考える、日本を活性化させるために必要なこととは。
別所:経済にしろエンターテインメントにしろ多くの分野で、先人が作り上げた20世紀型モデルからの変容が進んでいくと思います。中でも顕著なものが “つながり”の変化でしょう。“地縁、血縁”でつながっていた時代から、それに加えて“ネット縁”でつながる時代になった。ショートフィルムの制作でもブルガリアにいる人が編集を行い、インドにいる人が音楽を作り、オランダの人が版権を持っている…なんてことが当たり前になっています。ネットでのつながりは言語や国籍、世代といった枠組みを簡単に越えていく。エンターテインメントの世界ではすでに、自分が何をしたいか、どんなスタイルを持っているかといったことで人々がつながっています。スポーツでも現在、国際大会では国別対抗が基本ですけど、もしかしたら今後そういう枠組みを超えた大会が生まれるかもしれない。くじ引きでチーム分けして、全く別の国の人同士が同じチームで戦ったり(笑)。
だからこそ、これからの時代は情熱を持つことが、より大事になってくると思っています。ある人にはその情熱は無価値かもしれないけれど、他の誰かにとっては価値があるかもしれない。今は自分の価値を見いだしてくれる人と“ネット縁”でつながって、自分の価値を上げていくことができる時代。若い世代には、自分の価値と向き合う、ということを大切にしてほしいと思います。