“想像上の存在”だったブラックホール撮影成功の意義を解説! 日本の貢献も紹介



「その望遠鏡で観測して、確かに穴がある様子を撮影することができた。理論上ブラックホールがあるのではと想像して、100年がかりでやはり穴があったと確認できた。想像を実在にする、というサイエンスに世界中の科学者が取り組んでいるのです」と池辺さん。人間が未知の存在を想像し、それがほぼその通りに実在する姿をとらえた写真、それが今回公開された“ブラックホールの写真”。「想像図だったものが実際に確かめられた。今後は、本当に穴があるということをはっきりと伝えられますね」と池辺さん。「今回のことを通して、物理学は見えないものを見る道具、ということを伝えたい。この宇宙には法則があって、方程式を読み解くと、目には見えないけど実在するかもしれない存在に気づくこともできる。科学は、見えないものを見せてくれる道具なのです。そして科学は科学者だけがするものではありません。真理はどうなのかを追求する姿勢は万人にとって重要なことなのです」。
アルマ望遠鏡に搭載されている受信機の実物展示
 宇宙はまだまだ解き明かされていない謎に満ちている。「例えば、となりの宇宙。われわれの宇宙以外にも宇宙がある、という説があるんです。われわれが存在する3次元空間の他に4次元めがあって、その大きさも計算されている。われわれは入っていけないけど、重力は乗り出すことができるとされています。スイスにある加速器でマイクロブラックホールを作ろうという実験をしているんですが、その実験が成功したら、となりの宇宙、4次元めの存在が証明できるかもしれない。あと理論も無くて、本当に何も分かっていないダークマターも謎多き存在ですね」。今はまだ真理が見えない多くの謎も科学の力で“見る”ことができるかもしれない。

 史上初のブラックホール撮影成功に関する科学コミュニケーター・トーク「ブラックホールを見た!その意味は?」は再び13日11時30分より15分間、日本科学未来館 5階 コ・スタジオにて開催される。

 また同館では、今回参加した望遠鏡の1つで、日本も大きく関わっているチリのアルマ望遠鏡についての展示も行なっており、日本の研究や技術が生かされた受信機の実物も展示されているので合わせて見学してみては。
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