【インタビュー】池田エライザ × 清水尋也  今度は「撮ったら」呪われる…! 『リング』シリーズ最新作『貞子』

撮影・上岸卓史[池田エライザ]ヘアメイク・豊田千恵 スタイリスト・福田春美(pinko) [清水尋也]ヘアメイク・中村兼也(Maison de Noche) スタイリスト・八木啓紀

怖いけどやっぱり見たい!



 恐怖の仕掛け人・中田監督による、ホラー映画ならではの演出には、難しさも感じた、と池田。

池田「中田監督から、本読みに入る前からホラー映画としての芝居を“立てて”と言われていました。最近は、若手俳優の間でも自然派というか、型にはまらずその場で感じたままに表現する芝居が少しずつ良しとされていたりするんですけど、今回は一言一句すべて、観客の恐怖心を煽るための芝居が求められていました。最初は、私も技量が無くて、声だけ立って中身が空っぽになってしまったりしていたんですけど、モニターで自分のシーンを見てみたり、スタッフさんに相談して、少しずつバランスをとれるようになっていきました」

清水「僕が演じる和真は真っ先に巻き込まれるので、どう見せるかをあえて意識せずに、貞子と呪いに対してただ向き合っていけばいいのかな、と思い演じていました。この物語の中で生きている秋川和真という人物を純粋に演じれば、この映画の中での正解を導き出せるんじゃないかな、と。あと、演じていたときは気づかなかったんですが、完成した作品を見たときに、ホラーにおいて音というのはとても重要なんだなと思いました。BGMや音響が加わった時にこんなに変わるんだ、と思って。音が大きくなるだけで切迫感漂う空気を感じて、なるほど、こういうことなんだなと、思いました。ホラーはこうやって作るんだ、と気づくことがいっぱいあったのも楽しかったです」

 不気味な放火事件。少女の周りで次々と起こる奇妙な出来事。姿を消した弟・和真の足跡をたどった茉優がたどり着いた場所で、絶望と恐怖が待ち受ける…!

池田「クライマックスの撮影は、のめり込みすぎて記憶が…(笑)。やっぱり自分にも弟がいるので、茉優の思いがすごく伝わってきて。茉優としても私自身としても、絶対に弟を助けなきゃ、と思った瞬間でした。あんな気持ちになるんだ、と自分でも初めて知りましたね。楽屋に戻ってもそんな状態でした。あまりに気持ちが晴れなかったので“弟”の姿を見ようと思って一度、楽屋に遊びに行ったんです。そういう癒しがあったので乗り越えられましたけど」

清水「フィジカル的にも引きずられたり沈められたり、大変な撮影でしたよね。僕も、そんな池田さんを和真として見ていたので、ずっと“姉ちゃん…!”という気持ちでした。自分よりも姉ちゃんを…と和真はそういう気持ちだったと思うんですよね。現場で池田さんがカメラが回っていない時もずっと泣いているので、もう泣かないで!という思いで見守っていました」

池田「あのシーンで和真をつかんでいた手首が今も少し痛いんです」

清水「それ、呪われているんじゃ…」

池田「呪われたかも…。その時はまったく気づかなかったんですよね。他にも、あのクライマックスの撮影現場では、その前まで持ち上げられなかったものを抱え上げることができたりして、不思議な現場でした」