ボンダンスを追ってハワイから福島へ   写真家・岩根愛と北島敬三が語る写真集『KIPUKA』

岩根氏の左に写っているのが「コダック・サーカット」
いろんなものが溶岩のようにせり上がってくる本

 岩根の解説をすべて聞き終えた北島は、写真集の感想をハワイの溶岩流にたとえて「(作品の)密度やかかった時間、(作者の)影に隠れた労力、それから真面目さとか……いろんなものが溶岩のようにせり上がってくる本」と評価する。

「今日の解説を聞いていて、写真集にしにくい仕事だと思ったんですよ。いきなりハワイで出くわした日本人のお墓にある種のショックを受けて、岩根さんはそこから(移民という)歴史への想像力を広げて、自分に手繰り寄せていくわけですよね。なかなかポンと形にしにくいものを、デザイナーの町口(覚)さんが力技で本にしたなと(笑)」(北島)