風煉ダンスが新作音楽野外劇。今度は福井県の棚田に舞台を設置


 演劇集団「風煉ダンス」が福井県小名浜市で開催される「内外海田烏 海のステージ2019」で新作野外音楽劇を上演する。

 同イベントは若狭湾沿岸で暮らしてきた人々の「歴史」と「今」を引き受け「未来」を描こうという趣旨のもと、「ここが舞台だ。」をキャッチフレーズに田烏(たがらす)集落の棚田、路地、漁港、蔵、神社、旧小学校などをパフォーマンスの場として5月24日〜6月2日まで開催される。

 風煉ダンスは今回、若狭湾に面した小浜市田烏の絶景の棚田に舞台を設置。現地の人と高校生合わせて数十人も参加して野外音楽劇『魚人喜譚−さかなびときたん−』を上演する。

 物語の舞台は田烏の浜。そこにたどりついた旅役者の一座と土地の者とのさまざまな出来事を通じてこの世の「奇妙」と「人情」が織りなす不思議な物語が描かれるのだが、旅の一座の姿はまさに今回の彼らの姿?

 風煉ダンスの作品は叙情性とバカバカしさに満ちた荒唐無稽なストーリーを展開しながらも、現代社会に生きる者たちへの社会的な問いかけを内包する。

 見る者は笑いのそばにある苦しみや悲しみ、そして怒りに気づいたときに自分が現実と虚構の塀の上に立っていることに気づかされる。今喋っているのは劇中の出来事なのか、それともリアルな世界での出来事なのかと…。

 また彼らの作品は、野外劇では特に大掛かりなセットや巨大な人形といった壮大なスケールの美術も特徴。それゆえに制作費も多額になる。
 本作も当初は東京公演も予定したもののそういった資金的な問題から小浜公演のみになった。しかし小浜まで来られない人のためのDVD製作や、そもそもの舞台製作費、現地までの交通費や滞在費といった諸経費を賄うためにクラウドファンディングを立ち上げている( https://motion-gallery.net/projects/furendance-obama )。こちらも彼ららしいさまざまなリターンが用意されている。