【令和は「レス」社会】本来あるものがどんどんなくなっていく!?
燃やさなければ発生しない? じゃあ燃やすのはやめよう【タールレス】
レス化が進む要因はさまざまな「いいこと」があるから。キャッシュレスなら「便利」、ドライバーレスなら「安全」といったように。
そこで今度は「健康」というキーワードからレス化が進みそうなのがタバコのタール。
たばこの成分として一度は耳にしたことがあると思うのだが、タールは身体に害を与えるとされている。それゆえに昨今話題となる「受動喫煙」問題ではタールに多く含まれる、身体に害を与えうる成分が大きくクローズアップされ、東京都の「受動喫煙防止条例」といった法制定を加速させる大きな要因となっている。
そこで各国のたばこ会社が考えたのが「加熱式たばこ」。従来の紙巻きたばこはタバコ葉を燃やし、煙を出すことからタールは発生する。しかし加熱式は文字通り「加熱する」だけなのでタバコ葉は燃やさない。だから燃焼に伴うタールは発生しない。各社とも発表によると加熱式たばこでは健康懸念物質が90%以上カットされているとのことで健康への影響は大きく減少しているという。
燃焼させることで発生していたものを、燃焼させないことで発生させない——至極まっとうな話でありながら、「煙が出ないのにタバコ?」というある種の自己矛盾を乗り越え、コペルニクス的転回の末に生まれたのが加熱式タバコと「タールレス」といえるだろう。