ビジネスや婚活にも有効⁉　顔分析であなたを丸裸にする「相貌心理学」佐藤ブゾン貴子氏に聞く

　漫談を聞いているかのような爆弾トークが次々に炸裂。日本で唯一の相貌心理学教授という堅苦しい肩書を忘れそう。さらにブゾン氏は、この春から結婚相談所のアドバイザーも務めている。

「 “好きになった人は自分を好きになってくれず、あんまりタイプじゃない人に言い寄られる”とか、“自分にはどんな人が合うのか分からない” という話をよく聞くんですけど、それって相貌心理学である程度説明ができるんです。要は自分が好きな顔の好みと、一生を共にする結婚相手は、こういう人がいいという内面の好みが一致していない時にそういう気持ちになります。しかし、相貌心理学を学び、理解することでパートナーを選ぶ目も変わりますし、選択肢も増える。例えば結婚相談所で相手を選ぶ時は写真とともにプロフィールを見ますよね。その時に『プロフィールはいいんだけど、こういう顔はタイプじゃないから…』と思っていた事が『タイプではないけど、こういう顔は自分が結婚相手に求めるものを持っているかも知れない。お話だけでもしてみよう！』と選択肢が広げるきっかけになるかも知れません。それも相貌心理学のひとつの使い方です。“家庭を大切にするマイホームパパになってくれる人と結婚したい！”と強く思っていても、相貌心理学的に自分の世界を大事にし、家庭よりも自分の趣味を優先するという特徴が見て取れる人の顔が好きなら、自分の理想とする結婚相手と巡り合うのが難しくなります。そんな時に相貌心理学のマイホームパパになりそうな男性の特徴を知っていたら、そちらの方からのアプローチが可能になりますよね」

　相貌心理学は恋愛や結婚にも役立つんですね。

「フランスではビジネスや教育の分野でも採用されていますが、そもそもの目的がその人の顔をいいか悪いか判断するものではなく、顔の形状を言語化することで、相手を理解することなので、人間関係が生まれるところすべてに相貌心理学は使えます。占いではないので、幸福顔、不幸顔を示すものではありません。幸せや不幸せは自分自身が決めるものなので、相貌心理学では分かりません。あくまで自分を、そして相手を理解する心理学となります。ですから、顔の形状で“意志の強い顔”という特徴が見て取れた時に、それは何か目標を持って、それをやり遂げるという意味ではとても重要な事です。でも“意志が強い”というのは言い方を変えると“頑固”とも言えます。結婚生活において人の意見を聞かない“頑固”な人は亭主関白になる傾向が強いので、そういうタイプが苦手な人は、すぐに決断しないでよく観察した方がいいかも知れません。そのように、相貌心理学は顔の形状を言語化する事で、相手を理解するためのものなので、そこは占いや顔診断と混合されないようにしていただきたいと思います」

　なるほど。そういう事を伝えたくて結婚相談所のアドバイザーも？

「それももちろんあるのですが、相貌心理学をやる前は、ウエディングプランナーになりたかったんです。花束贈呈やキャンドルサービスの演出にとどまらず、なんなら花火もこのタイミングでドーンと上げて…とか(笑)。一生の思い出に残る最高のウエディングを演出する自信はあります(笑)。自分のウエディングも、日本でやったんですけど、フランスから来たお客様には和太鼓を楽しんでもらって、日本のお客様にはジプシージャズを踊ってもらった(笑)。 “和太鼓コーナー、ココね。フランスから来たお客様叩いて！”とか“踊りたい人は社務所に来て！　こちら、宮司さんでーす！”とか。私、笑うのが好きなんですよ。そして周りのみんなが笑っているのも大好きなんです。ウエディングプランナーって、幸せな笑いに包まれている人に囲まれる仕事だと思うので、ものすごくあこがれていました。ですから今は相貌心理学が、ハッピーな結婚生活につながる出会いのお役に立てたら、すごくうれしいですね」


（取材と文・水野陽子）

【相貌心理学とは】
相貌心理学（Morphopsychologie／モルフォフィスコロジー）とは、輪郭・各器官・肉付・左右の非対称等、『顔』を客観データとして分析し、一見でその人物の人間性・性格・パーソナリティーを理解する顔分析テクニック。1937年、パリで360年の歴史を持つサン・ルイ病院の精神科長ルイ・コルマンが創設。その著書はフランスで最も権威ある出版局「フランス大学出版局(P.U.F)」から出版されるなど、フランス国内では心理学として認知されている。現地ではフランス相貌心理学会を中心にカウンセラーが広く活動し、大手企業が採用・人事や研修等に導入するなど、ビジネス・教育分野にも広く応用されている。