“キュラソのー怪鳥”ジョーダン・ピケオー【格闘家イケメンファイル Vol.101】
たしかにオランダはキックボクシングが盛んですが、とはいえサッカー大国でもあります。一方キュラソーは野球大国として有名。格闘技以外のメジャースポーツをやるという選択肢は?
「ちっちゃい頃からヤンチャで喧嘩ばっかりしてたからね、キックボクサーになったのは自然の流れというか(笑)。とはいえ本気で始めたきっかけがあるんだよ。18歳の時のことで、想像つかないと思うけど当時のオレは体重が84kgくらいあって、(腕を見せながら)ほらストレッチマーク(肉割れ線)があるだろ。それで、今はMike’s Gymの仲間でもあるクリス・バヤと一緒に、当時あるジムでトレーニングしていたんだけど。自分たちは強いって思ってたこともあって、ふたりして下の階で練習してる40代のオッサンにちょっかい出したんだよね。“おい、強そうな奴がいるぞ、やっちまおうぜ”って。その結果ふたりまとめて返り討ちにあってしまったんだ(笑)。顔腫らして目には青アザっていうボロボロの状態で帰ったら、その時、家では母親が、ルンルン♪って感じで伯母と電話中だったんだけど、オレの顔を見るなり血相変えてさ、“ちょっと! どうしたのアンタ!? 戻ってやり返してきなさいよ!”って(笑)。勝気なキュラソーの女性の典型だね(笑)。まあオレも40歳過ぎのオッサンにやられるなんて信じられなかったけど要するにその彼はキックボクサーだったわけだ。それでオレも奮起して6カ月めっちゃ真面目に練習したんだ。キックボクシングの戦い方とかを丁寧に教えてもらって、そんな助けもあって日に日にメキメキと成長することができた。それで9カ月後になって、やられたジムに仕返しに行ったよ(笑)。で、それからもトレーニングを続けていた中で、リングで試合をするきっかけは、2年ほど前に他界した親友のダニエルが与えてくれた。彼はオレが練習する様子をずっと見ていて目をかけてくれてて“試合をしてみないか?”って言ってくれてたんだけど、試合すると負けるかもしれないじゃん? オレ、負けることが嫌だったんだよね(笑)。そしたらある時ダニエルが“よし、じゃあ試合して、勝ったら500(5万円相当)やるよ”って言うんだ。しかも、“KOしたら、その倍やる”って。“マジかよ”(笑)って感じで受けることにした。そんなわけでオレはKOするために手を尽くそうと頑張ったんだけど、なんだか知らないけど対戦相手がオレを前にしてすごいビビっちゃって。試合の流れがちょうどこの前の神保戦みたいな感じになってしまってKOできなかったんだけど、勝つことはできた。そうしたら、“お前には才能があるから、これからも試合をすればカネを払うよ”ってことで、試合を重ねていくことになった。これが格闘家としての出発点だよ」