【学生起業】「“これは世に普及させるべき”起業か就活かを決断」福井健人さん(株式会社魔法アプリ)

なぜ学生で起業? リスクや起業できた要因、起業後の現実とは? 【学生起業】

 いま日本でも、大学や大学院に在籍しながら起業する、起業を志す人が少しずつ増えている。起業という人生の選択を、なぜ学生のうちに決断したのか。そして実際にどんなことに直面し、どう乗り越えたのか。学生起業を経験した起業家を直撃。

 不安障害などの治療に用いられる曝露治療を仮想現実で行うことができるシステムを開発し、医療機関などに提供している福井さん。

「事業立ち上げのきっかけは認知行動療法の専門家である父から病院で使っている海外製のVRの治療機器の修理を頼まれ、軽い気持ちで直し始めたことでした。やがて、日本で同様のシステムを開発している会社が無いことや、患者さんの数が想像以上に多く、しかも8割強の方が適切な治療を受けていないということを知り、病院で使いやすいシステムがあれば役に立つのではと、開発し始めたんです。すると精神科医や公認心理士といった専門家や患者さんからも高評価を頂いたので、これは世に普及させるべきだと、事業化して継続していこうと思いました」

 もともと、大学入学前に例題集アプリなどを作成販売し、それを事業化していたという。

「ただ事業化した当初は就活に生かせるかもという気持ちと半々でしたね。大学3年になったころ、この事業を自分で手掛けていきたいと思うようになったのですが、まずは大学院に行きながら続けてみようと、現在MBAに通っています。もともと僕は小学校のころからゲーム作りが好きで、自作のスロットなどを作るうち自分で作ったものを多くの人に使ってもらいたいと思うようになりました。そのための会社を自分で作りたいという意識はずっと持っていましたね」

株式会社魔法アプリ http://magicalapplications.com/
福井健人さん(明治大学専門職大学院)
【起業時の年齢】20歳(2015年10月5日設立)
【資本金】300万
【社員数】3人(役員)
【在学時の専攻】学部時:コンピュータサイエンス学部 専門職学位:グローバルビジネス研究科(MBA)
【起業までに活用した支援サービスや施設など】Startup Hub Tokyoコンシェルジュ、Mediso、東京都中小企業振興公社、吉祥寺創業塾