いざ、パラリンピックへ!国内初のパラ卓球国際大会で世界のアスリートが集結

女子シングルス(車いすクラス5)で銀メダルを獲得した別所キミヱ
 初日は2連勝と好成績でスタートした別所。この日は1セット目を取り、良い流れでリードするも、その後、韓国JUNG Young Aの攻撃におされ、試合は1−3で終了。優勝には届かなかった。「いい調子で1ゲーム取ったんですけどね。でも頑張れば勝てる相手だというのが分かったので、この負けは、次につながる負け」と納得の様子で語った。

 初めての自国開催については、「2020年に向かっての大きな一歩。昨日は野球部の学生さんが声をかけてくれました。71歳でも頑張っている人がいるんだと、パラ卓球の楽しさ伝えられてうれしい」と日本でのプレーに喜びを語った。
試合後のほっとした表情。バタフライ・マダムの周りには、いつも笑顔が絶えない
日本のエースは銅メダル

 男子シングルス(立位クラス9)では、同じくリオパラリンピック代表で世界ランキング4位の岩渕幸洋が、銅メダルを獲得。オリジナルの横断幕やマフラータオルを手にした応援団が駆けつけるなど、大勢の観客が試合の行方を見守った。初日の予選リーグを3戦全勝し決勝トーナメントに進んだが、この日は、オーストラリアの強豪MA Linに1−3で敗れ、決勝進出とはならなかった。

 3、4セット目に相手に押された岩渕。「流れが悪い場面でその流れを切れなかった。攻撃力は課題になると思う。守りに入るのではなく、攻めの姿勢で試合に出ることを目指したい」と振り返った。具体的な強化のポイントは、バックハンド。今日は「(ボールを)起こすのが高くなってしまった。低い球で打ち返して、次の球は上から打てるようにプレーできると、幅が広がるんじゃないかと思います」と冷静に今後の課題を語った。
多くの観客が見守った岩渕の試合。「東京パラリンピックに向けて良いイメージができました」と語った。
7年ぶりに喜びひとしお

 7年ぶりの金メダルに輝いた選手もいた。男子シングルス(立位クラス10)で金メダルを獲得したのは、垣田斉明だ。昨年10月のアジアパラ 競技大会では強豪・中国を破り団体金メダルを獲得した垣田だが、個人としては7年ぶり。試合後は汗を拭うのも忘れて、喜びを爆発させた。

 これまで基礎的な反復練習が多かったが、フォアーとバック、さらには蛇行を織り交ぜた不規則な練習を取り入れることで、試合を想定した動きに磨きをかけた。「練習通りにやればできるんだ、という自信につながりました」と手応えを語った垣田。現在、世界ランクは24位だが、「まずは15位までに上げたい。もう後がないので優勝するつもりで頑張りたいです」と今後の国際試合へ意気込みを語った。

 大会は、港区スポーツセンターで8月3日まで。最終日は団体戦男女の予選リーグと決勝トーナメントが行われる。入場無料。パラリンピックに向けた戦いと、世界最高峰のプレーを間近に見られるチャンスだ。
男子シングルス(立位クラス10)で金メダルを獲得した垣田斉明
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